2008年08月03日

究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その1)



・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(プロローグ)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(ディスプレイ編)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その1)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その2)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その3)
の続き。

中身のパフォーマンスには
妥協せずに作りこんだtypeZ
そして、それに見合うための装いも必要となるわけで、
ハイパフォーマンスにふさわしい、
質の高いデザインと使いやすさへのこだわりにも手を抜かない。
それがデザインへの追求になる。

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<アルミ1枚板のキーボードパネル>


最高のモバイルマシンにふさわしいデザインを追求するために、
高級感のあるアルミパネル一体型成型のキーボードパネルを採用。

一般的に、キーボードパネルというと
複数のパーツで、樹脂材を併用して
作りやすさやコスト削減を優先する。

そこをあえて
素材として高級感を演出するためにアルミニウムを使用して
モバイルPCとして考えると
アルミニウムという素材自体が思い物質で、
軽量化だけを追及すれば、樹脂材のほうが適してる向きもあるけれど
高いお金を出してかうのに、
やっぱり所有欲というのは大事で、
ここで若干の重さがかかってしまうとしてもデザインを優先させて
アルミニウムを使うに至った。

その作り方も
ノートPCでは初めてとされる
1枚のアルミニウムの板を打ち出しした「絞り」という成型で作られている。

確かにアルミパネルのカドををよく見ると
その側面にきっちりとエッジがかかっているのがわかるけど
やはりこのエッジ感を出すのに相当苦労したそうで。


まず、
アルミ素材の板モノを曲げてしまうと
普通、そのコーナー部分というのは、
どうしてもアールが出てしまってカドが丸くなってしまう。

例えば、
車のボディなんかもアルミ板をプレスして作っているけど
あの大きさに対してもなかなか本当の直角のカドというのは作れなくて、
それでも
デザイン上、どうしても鋭角的なエッジを作りたかった事もあって
金型メーカーと何度も何度も試作を繰り返して
最終的に、金型の中で何度もたたき出して
プレスする絞り工法でカドを作り出して
エッジ感を引き出す事にやっとこぎつけたと。


出来上がったキーボードパネルは、
綺麗に切れ目のない
カーブとエッジ感のあるデザインとなって、
さらに全体にヘアライン加工が施されていて
見た感じの質感はかなり高い。

もちろん
長く使い続ける事にも配慮されていて
アルミフレームには、
キーボードパネルからパームレストにかけて
アルマイト処理をかけていてるから耐腐食性にも優れていて
それこそ昔みたいに
長く使ってて、パームレストの色がハゲハゲになる事もなくなる。

「中身が最高だけでなく、外見も最高にしたい。」
その想いで出来上がったのがこのキーボードだという事だ。

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<キーボードの打鍵感と静音性>


そして、
この1枚の板から打ち出して成型されたキーボードパネルは、
アイソレーションキーボードとガッチリとはまり込むことになる。

まず、モバイルPCでは、サイズの制約上、
変則的なキーボード配列になったり、
キートップ自体のサイズが小さくなってしまいがちだけれども
本体はコンパクトになっても、タイプしやすくするために
19mmピッチ、2.5mmストロークの
フルサイズキーボードとした事がひとつ。

A4のフルサイズのノートPCから、
typeZに移行した場合にも全く遜色がないように作りたかったそうだ。

そして、
typeTで採用したキートップが一つ一つ独立した
まるで浮き石のように見える“アイソレーションキーボード”
typeZにも採用、
それだけに終わらずに
さらにこだわりを盛り込んでいった。


モバイルPCだからこそこだわりたかったのが静音キーボードで、
typeGtypeTの17mmピッチキーボードで培った
静音設計技術を生かして、
新たに設計された静音ラバーを採用。

具体的には、
キーボードの中に入ってる
キーを押した時の反発力を出すために使っているラバー素材を
新設計する事で
タイプした時に発生する音を極力減らすチューニングをしていった。

あの、キーボードをタイプする音というのは、
特に新幹線の中とか妙な静かな場所で
キーを早くタイプすればするだけ
あのパチパチという連続した音が鳴り響いてしまって
周囲の目がかなり気になったりするけど、
それが人前で使っても
ある程度、気にしないで使えるレベルまで抑え込んでいる。


さらに
しっかりした打鍵感を確保するために、
アルミフレームとキーボードを、
全部で60箇所以上を溶着で固定
(これは超重要。)

ここで手を抜くと、中央のキーあたりが
びろーんとたわんでしまったりするけど
上からキーの打った時でも、そういった沈みこみも
それから発生する異音も大幅に軽減させる事にも貢献。

キートップの文字も、レーザーで印刷されているので
昔のVAIOのキーボードみたいに、長年使ってると、
キートップの文字が消えて見えない(汗 みたいな事がない。


何といっても、
あのとても安定していたSZシリーズの唯一といってもいいほどの弱点の
ヘニョヘニョな打鍵感だけは微妙な感じで、
当初からおもいっきり物議をかもしだしていたけど、
今回のアイソレーションキーボードはどうなんだろうか?


実際にtypeZのキーボードをタイプしてみる。

キーを指で押してみると
1つの1つのキートップが真下に確実に沈み込んで
きちっと戻ってくるのがわかる。
指先でキートップをぐりぐりと上下左右にわざと揺らしてみても、
ほとんどブレる事がない。

今使ってるSZシリーズのキーボードを改めて触って思うのは、
キーストロークがなまじ深いくせに、
キートップが結構ペランペランで薄いのとキーを支える部分が弱いのか
上下左右にブレたり、安定なくてキチっと感が薄い。
連続で打鍵すると
その作りのせいかペチペチという音が大きいのも気気になる。


アイソレーションキーボードは、
キーが沈み込んでもどってくるまでで発生する音は
当然無音とはいかないまでも、
耳をすませてみるとカタカタという音はするけど、
かなり小さくなっていて、
どちらかというと、自分の指のツメが
キートップを叩く音のほうが耳に残る感じだった。

最初見て気になったのは逆に
アイソレーションキーボードのキートップとキートップの妙なスキマで
なんかこれ小さくないか?とも思ったけど
配置関係は企業向けのVAIOノートtypeBZと同じで、
その位置で若干小さくなっているようだった。

まぁ、
タイプミスするほど指の位置がズレるわけじゃないので問題はないけど
typeTの時、そのスキマに埃がたまるのが気になったりもした。
たぶん、typeTのアクリルよりはtypeZのアルミのほうが
見かけ上、埃が見えにくいとは思うけど。


後、
わざとこのキーに指をひっかけたり、
ちょっと剥がし気味に力を加えても、なかなかしぶとくくっついてた。
一昔前のVAIOノートのキーだったら、
速攻バリンと取れちゃってたところだけど
随分進化は感じられる。

これが最高のキーボードでしょ!なんて事はないと思うけど
今まで打鍵していて感じていたモヤモヤ感に比べたら
随分と使い心地はよくなってるんじゃないかなと。

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<Felicaポートの存在とデザインのバランス>


それと、
とっても気になる“Felicaポート”切り欠き

やっぱり“Felicaポート”を搭載にすると
パームレストの天板が変わって、アルミの一部を切り欠かれてしまうので
この切り欠きについても、ネチネチと聞いてみる。

すると、
SZシリーズの場合は、
それこそパームレストの外側が切り欠けてしまってかなり目立っていて
一部かなり不評な感もあったのは事実らしく、
今回のtypeZの場合は、
タッチパッドのスクウェアの延長上をそのまま切り欠くようにして
あたかもタッチパッドに機能エリアをまとめたようにな配置にする事で
アルミの質感を損なわないように配慮しました!
と主張された。

実際、
タッチパッド側に持ってくるのは難しくて、
Felicaというのは、そもそもが電波モノで
周囲を金属で囲まれると、
アンテナの感度性能がものすごく落ちる。
なんてったってアルミの1枚板を使っちゃってるから。
(だからtypeSのように切り欠きなしでFelica実装ができない。)

SZシリーズの時は、端っこを切り落としてたので、
まだその切りっぱなしになる面に
アンテナが入ってたのでさしあたって問題はなかったけれど
typeZでは、タッチパッドの中央に収めたいという事もあって
Felicaの実装は相当苦労したのだと。。


(パームレストの裏側につくFelicaポートのパーツ)

なるほどね、
苦労したんだね
とは思ったりもしたけど、
個人的にはやっぱりせっかくの1枚板にしたいから
“Felicaポート”なしのほうがカッコいいんじゃ?
と思ったのは内緒の方向で。

結構“Felicaポート”はあったらあったで便利だからないと困る。
そうすると、実装するか、
もしくは見た目をとって非搭載にして、
使う時だけ外付け「パソリ」を使うか?
とか悩まされる事は多い。。


・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その2)
に続く。


・インテルCentrino2の秘密
・Reason of Z
・typeZ & typeS徹底比較



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究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その2)【ソニーが基本的に好き。】at 2008年08月07日 17:16
この記事へのコメント

hdd換装ネタよろしくです・・。
Posted by あ at 2008年08月04日 15:16

>あさん
はい、承知しましたw
速攻チェックしてみますね。。
パーツでバラバラになって飾ってあったtypeZを、
ものすごく食い入るように見て、何枚も写真を撮ったので
だいたいの作りを理解したつもりではいるのですが
実際にバラすとなるとどうなのか不安ですね(^^ゞ
ご期待にそえるようにがんばりますw
Posted by kunkoku at 2008年08月04日 16:27