2008年09月03日

ワイヤレスWANを内蔵したVAIO typeZで快適インターネット(その2)



・ワイヤレスWANを内蔵したVAIO typeZで快適インターネット(その1)
の続き。

typeZのワイヤレスWANを使用して
「FOMA HIGH-SPEED」が、実用レベルで
どの程度使えるのかをチェック。

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<インターネット接続のスピード>



SZシリーズの内蔵モジュールは、
受信最大3.2Mbpsまでの対応だったけど、
typeZは、受信最大7.2Mbpsに対応になって、
現時点ではワイヤレスWAN最速の理論値。



typeZをFOMA HIGHI-SPEEDで接続して
その状態を確認してみると
通信速度に7.2Mbpsと表示されているのを確認。

とは言っても
これはあくまでも理論値なので
実際にどれだけのスピードが出るかが重要。

アンテナが液晶ベゼルの中に埋め込まれてる事で
見た目はスッキリしているものの
受信感度はどうなのか?
という点も気になって、
USB接続の「FOMA A2502」を持ってるので、
通信速度に差が出るかどうかも含めてテストしてみた。

いろんなサイトにある
受信スピードテストを5回計測、
その平均値と最高値を掲載。

普通に一地方のFOMA圏内の場所、建物の中で計測。
時間帯は、午後11時〜午前1時。

カッコ()内は、参考値として
受信最大3.2MbpsのワイヤレスWANモジュールで計測した時の値。

typeZのワイヤレスWAN内蔵モジュール】

[gooスピードテスト]
下り受信速度:平均:2.58Mbps (1.69Mbps)
         最高:3.01Mbps

[ブロードバンドテスト]
下り受信速度:平均:1.88Mbps (1.79Mbps)
         最高:1.94Mbps

[USENスピードテスト]
下り受信速度:平均:2.01Mbps (1.80Mbps)
         最高:2.49Mbps

[BNR スピードテスト]
下り受信速度:平均:0.530Mbps (0.52Mbps)
         最高:0.586Mbps

[ブロードバンド スピードテスト]
下り受信速度:平均:1.63Mbps (1.29Mbps)
         最高:1.86Mbps


typeZ+A2502】

[gooスピードテスト]
下り受信速度:平均:2.88Mbps
         最高:3.22Mbps

[ブロードバンドテスト]
下り受信速度:平均:2.30Mbps
         最高:2.96Mbps

[USENスピードテスト]
下り受信速度:平均:2.59Mbps
         最高:3.12Mbps

[BNR スピードテスト]
下り受信速度:平均:0.578Mbps
         最高:0.615Mbps

[ブロードバンド スピードテスト]
下り受信速度:平均:1.74Mbps
         最高:2.06Mbps


受信最大3.2Mbpsの時に計測したものと比べると
母体の通信速度が引き上げられたためか
安定的に、より速い通信速度になっているのがわかる。

また、
同じ受信最大7.2Mbpsでも、
こうして何度も通信速度を計っていくと、
外付けの「A2502」のほうが
受信感度の条件が良いからなのか速い値を示している。

PC自体というもの自体が、CPUが高周波で動いていたり
他にもたくさんの電波を発していたりと
目に見えないたくさんのノイズを出していて
理論的には、電波を受信するアンテナは
PC本体から少しでも離れたほうが受信状況が良くなる
というのは良く言われる話で。

その位置関係の違いが
こうやって速度的な違いとして現れたのかな?とも取れるけど
このくらいの速度差なら、
外に飛び出すよりはやっぱり内蔵されてるほうがスッキリしてて
良いなとか思ったり。

web閲覧をしていて
若干のひっかかり感はあるかもしれないけど
1Mbps〜3Mbps接続スピードが常時出ているので
表示が遅くてストレスを感じるという事はあまりない。


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<NTTドコモ「FOMA HIGH-SPEED」の接続制限>


ちなみに、
FOMA HIGHI-SPEEDには通信制限というのがある。

・「定額データプラン」でご利用可能な通信の詳細:docomo

一部のポートに制限がかかっていたり
ストリーミング系の動画やファイル交換ソフト
VoIPを利用するアプリケーションは利用できない
というもので
実際に思いつくところでやってみると以下のような感じ。


【動画サイトの閲覧の可否】

[YouTube]⇒○
[ニコニコ動画]⇒○
[eyeVio]⇒○

Flash Video形式の動画サイトは、
問題なく閲覧可能。


[YAHOO動画]⇒×
[GyaO]⇒×

ストリーミング形式の動画サイトはNG。
直前の埋め込み型の動画は再生するものの
本編動画の再生が不可能。

【VoIPを利用したアプリケーション】

Skypeをはじめ、
Google Talk、iChat、IPメッセンジャー、Yahoo!メッセンジャーは
全て利用不可。


【ポート制限】

外出先から自宅のロケーションフリーTV「LF-PK20」にアクセスする場合、
ポート制限により穴が塞がれているので利用不可。

そのほかにも、
ネットワークの制限として
3分間に9回までしかつなげないとか、
HTTPファイルの最大ダウンロードサイズは300MBという制限もある。


ドコモの「FOMA HIGH-SPEED」には
こういった制限が最初からかけられていて、
極端には困りはしないものの
たまたま自分の使おうとするところとカブると
ちょっと痛い。


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<VPNを利用して接続制限を回避>


いくらどこでも使えるとは言っても
接続制限のために、利用範囲が限られるのはおもしろくない。

そんな場合にうってつけなのが
FOMA HIGH-SPEEDを専用回線のように使える
VPN(Virtual Private Network)サービス。

例えば、
「MobileFree.jp VPN 実験サービス」を利用すると
特に上記で書いたような制限を気にする事もなく
インターネットが利用できるようになる。

・[FOMA HIGH-SPEED]はMobileFreeで自由な閲覧が可能になる!


VPNを利用すると、
今まで表示すらされなかった[YAHOO動画][GyaO]
普通に見られるようになる。

ただ、そうは言っても
ストリーミング再生のスピードに
ダウンロードのスピードが追いつかない事もあって
動画が途中で何度か止まってしまう事が何度もある。


また、[Skype]もVPNを経由すれば
制限を回避できるので利用可能になる。
これは単純にうれしい。

ロケーションフリーTVへのアクセスも
VPN経由であれば可能。

通信速度が速くないからか転送レートが低くなるために
高画質での再生とまではいかないまでも
つないだ先のレコーダーの内容の確認はできるし、
予約録画を入れたりタイトルを削除したりと
メンテナンスには役に立つ。

・外出先からドコモauの定額通信でロケーションフリーTVにつないでみる。

ひとまず
VPNサービスを利用すれば、
接続制限という不便さからは脱却できる。

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FOMA HIGHI-SPEEDは、
動画再生やダウンロードといった大きい容量の扱いには、
通信速度的に厳しさも残るものの
一般的なweb閲覧であれば、
ワイヤレスLAN環境と比べても遜色なく使えるレベル。

それに、
動画再生のように見るだけで
大量のデータを消費するような事をしても
通信プランが定額になっているからこそ心置きなく使える。

場所を選ばすに通信できて
かつ、それがある程度実用に耐えられれば、
“つながらない”“遅い”といったイライラから解放される。


もちろん、速度的には
「有線LAN>ワイヤレスLAN>ワイヤレスWAN」
となるし、
逆につながりやすさ的には
「ワイヤレスWAN>ワイヤレスLAN>有線LAN」
となる。

どれが優れているか?ではなくて
速くつなげるところはそれに越した事はないし、
そうできない場所をうまく補完してくれるのが
このワイヤレスWANだと言える。


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