2008年09月24日

VAIO typeAのPC性能とグラフィック性能をベンチマークで計測!



VAIOノート中で最高のスペックを誇るVAIO typeA
純粋なPCパフォーマンスをベンチマークテスト。

モバイルVAIO最速のVAIO typeZとスペックが僅差という事もあって、
どの程度ベンチマーク結果に差が出るのか
非常に興味があるので、2機種で比較しながら。

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以下が2台のVAIOのスペック。
VAIO typeZは、
外部グラフィックを利用するSPEEDモードのみで掲載。


VAIO typeA「VGN-AW90US」
OS:Windows Vista Home Premium(SP1)
CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリー:4GB(DDR2 800/2GB×2)
ストレージ:約628GB
     約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
     +HDD 約500GB(4200回転/分)
ディスプレイ:18.4型ワイド(1920x1080)
チップセット:モバイル インテル PM45 Express
グラフィック:NVIDIA GeForce 9600M GT(512MB)



VAIO typeZ「VGN-Z90S」
OS:Windows Vista Home Premium(SP1)
CPU:Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリー:4GB(DDR3 1066/2GB×2)
SSD: 約128GB(SSD 64GBX2) RAID 0
ディスプレイ:13.1型ワイド(1600x900)
チップセット:モバイル Intel GM45 Express
グラフィック:
SPEED・・・NVIDIA GeForce 9300M GS(256MB)


基本、チップセットは、
モバイル インテル PM45 Expressとモバイル Intel GM45 Expressは
同アーキテクチャで、
内蔵グラフィックがあるかないかの違い。

CPUは全く同じ。
メモリーは、VAIO typeAがDDR2の800MHzなのに対して、
VAIO typeZは、DDR3の1066MHz。
転送レートの差は影響があるのか?

システムの入っているストレージは、SSDのストライピングで、
同じものを使用。

そしてやっぱり一番の違いは、グラフィックボード。
以下がGPU-Zで細かい部分の性能をチェックすると明らかな差がわかる。


NVIDIA GeForce 9800M GT
SP数      :32
FLOPs      :120
GPU Clock  :500MHz
Memory Clock :800MHz
Shader Clock :1250MHz
搭載メモリー :512MB
メモリーバス :128bit
メモリ帯域幅 :25.6GB/s

NVIDIA GeForce 9300M GS
SP数      :8
FLOPs      :34
GPU Clock  :580MHz
Memory Clock :702MHz
Shader Clock :1450MHz
搭載メモリー :256MB
メモリーバス :64bit
メモリ帯域幅 :11.2GB/s

特にSP数が4倍も違う事からも
グラフィック主体の3Dゲーム系のベンチマークでは
想像するに相当なパフォーマンスの違いが出るだろう。

どちらもVAIOの電源設定を【高パフォーマンス】に設定して計測。

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<PC基本性能ベンチマークテスト>

●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。


VAIO typeA「VGN-AW90US」
Mark:131549

VAIO typeZ「VGN-Z90S」
Mark:134612

CPUは同じだから[ALU]や[FPU]は当然同じ。

メモリー評価の[MEM]が、
何度計測してみてもほぼ同じ程度。
DDR2の800MHzでも、DDR3の1066MHzに対して劣るという結果は出なかった。

[HDD]評価はSSD RIDO 0だから高い評価。

グラフィックス性能を示す
[GDI]や[D2D]、[OGL]でも大きな差とはならず。

CrystalMarkでは、
VAIO typeAVAIO typeZとの差が出る事はなく、
むしろ逆転現象もしばし起きたり。

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●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
PCMark05からマルチコア/スレッドに対応。

VAIO typeA「VGN-AW90US」

System Test Suite   :8218.0 PCMarks
HDD_XP Startup     : 61.61 MB/s
Physics and 3D     : 234.76 FPS
TransParent Windows  : 3437.79 Windows/s
3D_Pixel Shader   :209.87 FPS
Web Page Rendering  : 1.48 Pages/s
File Decryption     : 77.35 MB/s
Graphics Memory_64 Lines : 1287.06 FPS
HDD_General Usage    : 38.1 MB/s
Audio Compression    :1956.56 kB/s
Video Encoding     : 637.76 KB/s
Text Edit          : 137.16 Pages/s
Image Decompression  : 37.91 MPixeles/s
File Decompression   : 6.57 MB/s
File Encryption      : 36.42 MB/s
HDD Virus Scan        : 72.4 MB/s
Memory Latency_Random 16MB : 9.82 MAccesses/s


VAIO typeZ「VGN-Z90S」

System Test Suite   :7848.0 PCMarks
HDD_XP Startup     : 80.29 MB/s
Physics and 3D     : 224.71 FPS
TransParent Windows  : 3736.26 Windows/s
3D_Pixel Shader   :59.1 FPS
Web Page Rendering  : 2.21 Pages/s
File Decryption     : 77.35 MB/s
Graphics Memory_64 Lines : 778.29 FPS
HDD_General Usage     :47.08 MB/s
Audio Compression    :1871.46 kB/s
Video Encoding     : 640.66 KB/s
Text Edit          : 125.51 Pages/s
Image Decompression  : 36.71 MPixeles/s
File Decompression   : 6.19 MB/s
File Encryption      : 36.11 MB/s
HDD Virus Scan        : 84.47 MB/s
Memory Latency_Random 16MB : 9.41 MAccesses/s


詳細の評価を細かく見てもほぼ同じで
ほとんど変わらず。

大きく数値が変化している部分(オレンジ色)は、
やはりグラフィックの性能によるところが大きいもの。

メモリーの転送レートの差は出てこなかった。

PC用ベンチマークだと同じような結果で
一般処理ではまるで差がない事がわかる。
というか、どっちもこれだけの性能があったら相当に速い。


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今度は、グラフィックに依存する
3Dゲーム系のベンチマークテスト。

<3Dゲーム系ベンチスコア>

●3DMark06 Build 1.1.0(Basic版)
基本的に3Dグラフィック性能を測るベンチマークソフト。
DirectX 9.0c、マルチコアに対応。


VAIO typeA「VGN-AW90US」
3DMark Score : 5280
SM 2.0 Score :  2164
SM 3.0 Score :  1944
CPU Score :   2514


VAIO typeZ「VGN-Z90S」
3DMark Score : 2269
SM 2.0 Score :  841
SM 3.0 Score :  795
CPU Score :   2380

ベンチ結果は、
「NVIDIA GeForce 9300M GS」のなんと2倍以上!

トータルベンチではいまいち見えてこなかった
「NVIDIA GeForce 9600M GT」のグラフィック性能が
ここで大きく影響してくるのが顕著にわかる。

3DMark Scoreが5000くらいになってくると
デモ映像もある程度スムーズに流れるようになって、
コマ落ちもほとんどなくなる。

デスクトップだけのものだと思っていたけど、
ノートPCでこれだけ動くとかなり圧巻!

           
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●Vana'diel Bench3
(FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークテスト3)

DirectXは8.1と少し古いけど
いまだに定番のベンチマークソフト。
というかプレーヤーが多いので。


VAIO typeA「VGN-AW90US」
・低解像度モード SCORE:平均 8849
・高解像度モード SCORE:平均 6346


VAIO typeZ「VGN-Z90S」
・低解像度モード SCORE:平均 7977
・高解像度モード SCORE:平均 4882

DirectXが8.1でも、
「NVIDIA GeForce 9600M GT」のグラフィックの能力で
スコアは上がる。

特に、演算の多くなる高解像度では
30%もスコアが上昇、
より「NVIDIA GeForce 9300M GS」と差がひらく。


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●三國志 Online
ゲーム内の合戦を表示して動作を確認。
大量のキャラクターを同時に表示させる。
DirectX 9.0c以上が必須。
低グラフィック、標準、高グラフィックの3段階による計測。


VAIO typeA「VGN-AW90US」
・低グラフィック計測    5411“戦神”
・標準計測         3631“戦神”
・高グラフィック計測    2202“猛将”


VAIO typeZ「VGN-Z90S」
・低グラフィック計測    3403“戦神”
・標準計測         2028“猛将”

順当に、
「NVIDIA GeForce 9600M GT」のベンチマークが高い数値をマーク。

さらに、このベンチマークの「高グラフィック計測」は、
1280x1024の解像度を必要とするため、
たとえ高解像度と言われるVAIO typeZの1600x900でも計測不可能。

VAIO typeAの解像度は、1920x1080と高い事もあって、
計測が可能となった。


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●モンスターハンターフロンティアオンライン
モンスターハンターフロンティアを動作させるための
ハードウェアとソフトウェの性能をはかるベンチマーク。
最近できたゲームだけに、映像はかなりの高画質。
DirectX 9.0c以上が必須。


VAIO typeA「VGN-AW90US」
1280x800モード SCORE: 平均 3007
1920x1080モード SCORE: 平均 1516


VAIO typeZ「VGN-Z90S」
1280x800モード SCORE: 平均 937
1600x900モード SCORE: 平均 621

グラフィックとCPU性能を問うゲームで
同じ解像度なら、
「NVIDIA GeForce 9600M GT」は、3倍のスコア。

RESOLUTION(解像度)設定が変えられるので、
それぞれの最大でも計測。

「NVIDIA GeForce 9300M GS」では、
解像度を上げるとかなり厳しいものがあるので、
逆に落とし込んでやらないと、コマ落ちが激しすぎて
まともにプレイは不可能。

「NVIDIA GeForce 9600M GT」で、
さすがに1920x1080という超高解像度でプレイするには
ちょっと苦しいかもしれないけど
ある程度の解像度に落ち着ければ十分に楽しめる。
この差は大きい。


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●デビルメイクライ4
アクション系の3Dゲームだけに超高負荷。
グラフィックの細かいキャラクターとの戦闘シーンを
動作させたベンチマーク。
ビデオメモリーには256MBが必須で、512MBが推奨。
DirectX9とDirectX10の2種類のモードを用意。
ノート用のグラフィックではまず無理なゲーム。


Rank:C
SCENE1:44.36
SCENE2:33.67
SCENE3:52.89
SCENE4:25.76


VAIO typeZ「VGN-Z90S」
Rank:D
SCENE1:18.73
SCENE2:12.06
SCENE3:21.31
SCENE4:12.13

どちらもDirectX10バージョンで計測。
デフォルト設定のままであれば、
「NVIDIA GeForce 9300M GS」は、どうにかランクCをゲット!
やってやれない事はない。

「悪魔達をスタイリッシュに狩るのは難しいかもしれません。」
とコメント欄に出てこようが、
それでもランクCが取れた事にちょっと感動してしまった。

ちなみに、セッティングを全て上げて
再度チャレンジしてみたら、
FPSは10前後しかでず、
あっという間にランクは“D”になってしまった・・・


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DDR2とDDR3のメモリーの差は、
ベンチ結果には表れる事がなかったのは
良かったのか悪かったのか・・・

何にしても
「NVIDIA GeForce 9600M GT」のグラフィック性能が
予想外に高かったのに驚いた。

VAIO typeAVAIO typeZの差は、
まさにグラフィックボードの性能にあるわけで、
トータルベンチで見た時の結果がまるで差がなかったように、
一般用途の処理や、軽いグラフィックに依存する程度のアプリケーションであれば、2機種の差はなく、
まさに仕事で使う事が多ければ
機動性のあるVAIO typeZのほうがはるかに扱いやすい。

そして、
しっかりと据え置いて映像を専門に扱うようなVAIO typeAは、
多少熱を持ったり、電力を必要としても、
「NVIDIA GeForce 9600M GT」を採用する事で
3D系のグラフィック性能にも強いマシンとなっていると言える。

こういう事が具体的にわかっていれば、
一概に“高速処理”という言葉だけにとらわれなくても
自分が何を一番優先したいのかで、
それぞれのフラッグシップVAIOをチョイスできる。


・VAIO typeAに存在する「Video edition」と「Photo edition」の違い。
・「VAIO typeA」にしか搭載できないフラッグシップとしての性能。
・デスクトップに匹敵するパフォーマンスを持つ「VAIO typeA」



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この記事へのコメント

でもtype Zも大変魅力的ですね。type Aにも言える事ですが、
持てる技術の総力を揚げて取り組んだそんな感じがします。
購入確定と同時期に今のパソコンが調子が悪くなって
そんな事もあって早く見たい、触りたい衝動が抑えられません。
ところで今のノートパソコンのプラットフォームは
"Centrino 2"に切り替わって間もないですが、また何年かしたら
"Centrino 3"みたく世代交代するんでしょうか?
Posted by AUDREYHEPBURN at 2008年09月26日 00:48

>AUDREYHEPBURNさん
はいw
自分の場合を考えてもそうなんですが、ノートPCで強烈なゲームまでをする事はなくて、
どちらかというと、いつも使ってるtypeRmasterと24型ディスプレイの仕事環境から離れた場合に、いかにそれに劣らない状況で仕事ができるかがポイントになるんです。
なので、持ち運びが出来るという大前提があって、
高解像度でサクサク動いてくれるtypeZはとっても魅力的ですww
と、
インテルが提唱しているCentrinoってのは、ぶっちゃけ勝手に名前を付けてこんな事がトータル的に出来ますよ!とアピールするのにちょうどいいネーミングになります。
それとは別に小変更を繰り返してチップセットやCPU、ワイヤレスは進化してきてますからね。
うーんと、例えていうなれば、修行してだんだん強くなってる悟空が、頭が金髪になったので、“スーパーサイヤ人2”、
さらにだんだん強くなっていって、“スーパーサイヤ人3”みたいなそんあ感じの名前って感じかな??
違うかな??
す、すみません余計にわかりにくいですね(滝汗
Posted by kunkoku at 2008年09月26日 10:55