
・VAIO typeZにSLCタイプのIntel製「X25-E」を載せてみる。(その1)
の続き。
SLCタイプのIntel「X25-E」が
どれだけの性能を持っているかベンチマークテスト。
比較対象としてのその他のSSDは、
以下のリンク先のテスト結果を参照。
・VAIO typeZに新コントローラのOCZ「Vertex」を載せてみる。(旧ファーム編)
・VAIO typeZに新コントローラのOCZ「Vertex」を載せてみる。(新ファーム編)
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<ブランク状態での「X25-E」のベンチマークテスト>
まずは、
Intel「X25-E」を、データのない空状態でストレージとして
VAIO typeR master
測定したベンチマークテスト。
『VAIO typeR master
OS:Windows Vista Home Premium(32bit)
CPU: Intel Core 2 Quad Q9550 (2.83GHz)
メモリ: 8GB(2GBx4:OS使用領域3.2GB)
チップセット:Intel P35 Express
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●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)


『Read 64K』 『Read 512K』


『Read 8MB』 『Random Access Read』
64KB、512KB、8MBの3種類のブロックサイズで
計測したどの読み込みのグラフも
最高値と最低値の起伏が少なく、
さらにその速度差も10MB/s未満しかなく
一環して安定しているのがわかる。
平均値を見ても
64kで206MB/s、512kで224MB/s、8MBで235MB/sと
かなり高速なのは間違いない。
ランダムテストでも着実な速さが見てとれる。
MLCタイプでも高速タイプのものがあるので
驚くほど突出した性能とは感じないけれど、
グラフが非常に安定しているのは気持ちがいい。
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●HD Tune Pro 3.50(書き込みテスト)


『Write 64K』 『Write 512K』


『Write 8MB』 『Random Access Write』
書き込みにしても
64KB、512KB、8MBのブロックサイズともに
最高値と最低値の変化も少なく、かつ周期的な安定したグラフ。
一部のMLCタイプのSSDでは、
このグラフがものすごく上下に乱れてしまうものがある事からも、
Intel「X25-E」の優秀さがここで一番よく感じられる。
書き込みの平均速度も、
64kで187MB/s、512kで196MB/s、8MBで200MB/sと
まず他のSSDでは見られないほどの高速っぷり。
ランダムテストでも、
今まで計測してきたSSD中でも最速。
ブランク状態でのテスト結果は非常に良好で、
SLCタイプSSDの威力を数値ではっきりと再現できた。
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<VAIO typeZに装着してベンチマークテスト>
そして、ここからが、
VAIO typeZ
前回のリカバリー作業を施してシステムやアプリケーションを入れた状態で
ベンチマークをテストをしたもの。
『VAIO typeZ
OS:Windows Vista Home Premium(32bit)
CPU: Intel Core 2 Duo T9600 (2.80 GHz)
メモリ: 4GB(2GBx2:OS使用領域3.2GB)
チップセット:Intel GM45 Express

まずここで注目すべきなのは、
今回装着したIntel「X25-E」は、総容量が32GBしかなくて、
そこにシステム(Windows Vistaやアプリケーション)を
インストールしたので、
残りの空き容量が8GB程度しかなくなっているという事。
ブランク状態であれば、
上記のようなメーカー公称値を発揮する結果がでたけれど、
大半にデータが書き込まれている状態になると
そのパフォーマンスは維持できるのか?
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●CrystalDiskMark2.2
CrystalDiskMark2.2で、何度か計測していると
いつもは多少の誤差はあるものの
今回に限っては、
なぜか書き込みのテスト結果が大きくブレる事象に遭遇。
代表的な結果を載せるにしても
どのテスト結果を掲載するか悩ましいほどで、
仕方ないので、
計測したうちの小さいものと大きいものの両方を掲載する。


『100MB』 『100MB』


『1000MB』 『1000MB』
上の結果を見てもわかるとおり、
100MB、1000MBともに
書き込み速度、それもシーケンシャルライトとランダム512Kの数値が
随分と異なっている。
興味深いのは、
読み込み速度は誤差程度で、それほど大きく違わないものの
書き込みでは、
100MBでは2倍、1000MBでも30%近くも開きが生じていて、
唯一ランダム4Kだけは安定している。
うーん、何でだろう?
と悩みつつも、いろいろと調べてみた結果、
SSDについて、
「ディスクの空き領域が断片化している場合に書き込み速度が低下する」
という記述を見つけた。
もしかすると、
今回の32GBの場合、ストレージの大半にデータが書き込まれていて
その残った狭い領域内で書き込みのテストをしているために、
大きいシーケンシャルや512Kの書き込みの場合には、
断片化した空き領域に出くわした際に低下して、
そうじゃない場合には良好な結果が出ると考えられないだろうか?
だから、4Kという小さなデータでは、
その影響を受けなかったんじゃないか?
と素人ながらに推測。
という事は、
いかに高速なSLCタイプのSSDとはいえ、
容量が少ない上にシステムを入れて使っていると
だんだんと空き領域が断片化してしまう事で
それで書き込み速度の低下が起きてくるかもしれない。
だとすると、
高速性を維持する条件としては
SSDの容量が多いに越した事がないのだろうし、
使うにしても、
出来る限り、インストールでアンインストールの繰り返しや
データの書き消しを頻繁に行わないほうがいいのでは?
という気がした。
★最初のHDTuneでの書き込みテストは、
あくまでもブランク状態でしかテストできないからこそ
断片化は無縁の良好な結果が得られていると考えられる。
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●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)


『Read 64K』 『Read 512K』


『Read 8MB』 『Random Access Read』
システムがインストールされた状態では
HDTuneでは読み込みのテストしか出来ないけれど
同じく計測。
読み込みのグラフは、周期的ではなく多少の乱れはあるものの
それでも比較的安定しているし、
最高値と最低値の落差もそれほど大きくはない。
平均値では
64kで172MB/s、512kで216MB/s、8MBで232MB/sと
こちらも安定した高速性を保っている。
ランダムテストに関しても
極微量ながら下がっているもののその差もわずかなもの。
読み込みテストに関しては、
CrystalDiskMark2.2と同様に良好な結果。
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●PCMark Vantage(HDD Suite)
「PCMark Vantage」で、
ストレージテストとなる「HDD Suite」を実行して
実用レベルに近い内容も調べてみる。


HDD Test Suite: 25926.0
参考までに
その他のSSDのスコアは以下のとおり。
Samsung製「MCBQE64GFMPP」x2 ・・・15661.0
OCZ製「OCZSSD2-1VTX60G」 ・・・21154.0
PhotoFast製「G-Monster V2」 ・・・11536.0
これらと比べても、
Intel「X25-E」が一番高い性能を発揮している事がわかる。
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●Windowsの起動と終了、休止と復帰

そして、実際のテストとしては
Windowsの起動や終了、休止と復帰の
速度をストップウォッチで計測。
『Windows Vista起動』
Windows Vistaロゴ表示 ・・・約30秒
画面切り替わり壁紙出現 ・・・約40秒
ウェルカムセンター表示 ・・・約44秒
サイドバーガジェット表示 ・・・約45秒
『終了』・・・約31秒
『休止』・・・約39秒
『復帰』・・・約21秒
手押しストップウォッチなので多少の誤差があるとはいえ
OCZ製「OCZSSD2-1VTX60G」とほぼ同速度で
これだけでは、
どっちが速いという差はまず感じられなかった。
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ベンチマークでは
以上のような結果なので数値として捕らえられる。
が、
実際に使ってみると、
セットアップの速さ、データの転送の速さ
アプリケーションのインストールの速さ、
何をしても全てにおいて超高速で、
他のSSDよりも頭一つ抜き出たレスポンスが感じられるのも確か。
それと、
SLCだから書き換え回数がMLCよりも多いという
信頼性が高いというだけでも
システムデータを入れて使うには精神衛生上、気が楽。
現状では
価格に対して容量が圧倒的に少ないという面がネックにはなるので
手放しに喜べない部分もあるし、
容量の少なさからくる何らかしらの弊害もゼロとは言い切れなくて
SLCタイプも一長一短。
何だか
考えさせられる事も多かったので
これからもいろいろいじってみる予定。
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