
VAIO分解シリーズ。
今回のお題は、VAIO typeT
モバイルVAIOのtypeTとして
2005年9月に登場して、
2007年5月のTZシリーズが発売されるまでの約1年8ヶ月続いたモデル。
シャープなラインを持つデザインは、
今見ても斬新で使い続けたいマシンのひとつ。
さすがにスペック的には
最新のモデルにはかなわないものの
一番のボトルネックとなる1.8インチのHDDをSSD化すれば
まだまだ現役として使えるだろうという事で、
今までバラし記事を掲載してなかったし
データベースの一部として。
【歴代VAIO typeT他の分解記事】
VAIO typeT(TTシリーズ)
・VAIO typeT(TTシリーズ)の本体を分解(前編)
・VAIO typeT(TTシリーズ)の本体を分解(後編)
VAIO typeT(TZシリーズ)
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その1)
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その2)
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その3)
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その4)
・VAIO typeT(TZシリーズ)に使えるSSDはどれだ?(前編)
・VAIO typeT(TZシリーズ)に使えるSSDはどれだ?(後編)
・VAIO typeT(TZシリーズ)に、2.5インチと1.8インチのSSD2つを同時に付けられるか実験。
・「EasyBCD」を利用してtypeT(TZシリーズ)をマルチブートで使ってみる。
VAIO 505EXTREME
・505EXTREMEを最新のネットブックと同等レベルの性能にする。(その1)
・505EXTREMEを最新のネットブックと同等レベルの性能にする。(その2)
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<VAIO typeT(TXシリーズ)の分解とストレージの換装>
【CAUTION!注意!】
本体を分解して故障させると、
メーカー保証対象外のため
有償修理もしくは修理不能となる可能性があります。
この記事を読んで同様の事をして、
万が一生じた損害は全て自己責任となり、
当方や販売店、メーカーは一切その責を負いません。
その事を承知いただいた場合のみ以下をご覧ください。
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★以下のサムネイル画像をクリックすると
それぞれ大きい画像があります。


今回、分解したのはVAIO typeT(TXシリーズ)
もう既にHDDが末期的な症状で動作が激重、
いつ動かなくなってもおかしくない状態だったので
データをバックアップして、
「リカバリディスク」を作成する。
最近のVAIOはリカバリ領域がHDD内にあるので、
HDDが壊れた後では、
「リカバリディスク」が作れなくなってしまうので、
買った時にすぐに作っておくのが常套手段。

じゃ早速、分解作業開始。
作業する際には、
出来れば導電シートのような上でやるのが理想で、
自分の体から静電気を取り除いておく儀式は必須。
そして本体からバッテリーははずして、
底面を上側に向けて置いて
本体底面にある7カ所のネジをはずす。
キーボードを留めているのは、
実質、後ろの中央部分だけなんだけど、
パームレストを剥がすには、これだけをはずしておく必要がある。
7つともにすべて同じ長さのネジで、
取り外したネジはなくならないように
ケース等に入れておく。

次に、
本体をひっくり返して、
キーボードを上に向けて置く。
キーボードを取り外す作業。
キーボードの左奥側にある[Esc][F1]キーの上部分と、
右奥側にある[Insert]キーの上部分に、
ツメがロックされているので、
竹串のような本体を痛めないような細長いものでロックを押し込む。


で、
普通ならこれでキーボードが持ち上がるのだけど、
さらに[F5]と[F12]の部分にも小さいツメがあって
ここもうまくかわさないといけない。
やり方のコツとしては、
キーボードを手前に引き気味にしながら、
何本もの竹串をキーボード上の隙間に入れていくようにして
少しづつ確実に浮かしながら均等に力を入れると
うまくはずれる。
ここで、力を入れすぎると、
キートップがボリっと壊れてしまうので注意が必要。


ツメから解放されたら、
キーボードの奥側を持ち上げる。
この際、本体とキーボードは配線でつながってるので、
勢い良くひっぱっては配線を痛めないように。
ゆっくり持ち上げて
キーボード手前を起点にしたままで保持。
もしくは、ケーブルに負担がかからないように
裏返してパームレストの上に置く。


そして、
キーボードを分離するために、
本体につながってる配線をはずす。
フレキケーブルが、ストッパーでロックされているので、
手前に持ち上げると、ロックがはずれる。
そうすると簡単に
キーボードの配線が抜けて、
本体とキーボードが分離される。

今度は、
パームレストをはがす作業。
ネジ自体は1本だけなんだけど、
スピーカーケーブルと、タッチパッドのケーブルがつながってるので
勢い良くやると間違いなくケーブルを破損する。


順序としては、
まず上側に見えるスピーカーケーブルを抜く。
これがまた小さくて指が入る余地はないので、
やわらかい棒(ここでも竹串が役立つ)で持ち上げつつ
ゆっくりと引っ張れば確実に抜ける。
次にネジを1つだけはずす。


それから、
本体の後ろ側がフリーになっているので、
後ろから少しづつツメをはずしながら持ち上げていく。
手前のほうがガッシリとツメがかかってるので
手前から持ち上げるのは困難。
さらにこの時も
タッチパッドからの配線が本体につながってるので、
途中浮かした状態で止めて
この状態で、ゆっくりとタッチパッドの配線を引き抜けば
それほど力を入れなくても取り外せる。

これで、
TXシリーズの内容が全貌できる。
右半分のほとんどが光学ドライブで占められていて、
残りの左半分にマザーボード、
手前に1.8インチサイズのHDDが収納されている。


ハードディスクは、
左手前に金属アームに守られるように固定されているので、
3つのネジをはずして、
その金属アームを取り除く。

丸見えになった1.8インチHDDは、
本体にのっかっているだけ。
なので、
そっと持ち上げてケーブルをゆっくりと引き抜けば
HDDを本体から分離することができる。


HDDを取り外したが場所は、
完全に密閉空間で、特に廃熱用のスリット穴などはないものの
ある程度の深さを保っている。
それから、
1.8インチHDDをつなぐインターフェースは、
50ピンIDEコネクタ。
HDDにしてもSSDにしても
1.8インチというサイズだけじゃなくて、
この接続端子が合っていない限りは装着できない。


HDDをチェックすると、東芝製の「MK6006GAH」
容量は60GB、
回転数が4200rpm、
キャッシュ2MB、平均シークタイム15msというもの。
当然インターフェースは、
50ピンIDEコネクタ。


最近になってようやく50ピンタイプのSSDも出回ってきたけど
今回採用したのは、
MTRON製SSDのMOBIシリーズ「MSD-PATA3018-016ZIF2」。
このSSDのインターフェースはZIFタイプで
そのままでは当然接続できるわけはないので
「1.8インチZIF⇒1.8インチHDD」変換アダプタを利用する。
変換アダプタには、東芝用と日立用それぞれの
40ピン、0.5mmピッチのFFCケーブルが付属してるので
迷わず東芝用を使う。


このやり方で認識自体は問題ないのだけど、
変換アダプタを使った分だけの厚みが出てしまうのが難点となる。
幸いな事に、
TXシリーズのストレージスペースには
ある程度余裕があるって、
さらに、MtoronのSSDの厚さは5mmと薄い事もあって
ケーブルをうまく折り返せば
変換アダプタも綺麗に収まる。


金属アームを取り付ける際には、
そのままだと
変換アダプタと触れてしまう可能性があったので、
少し曲げて極力接触しないように簡単に加工するのと、
万が一を考えて
金属アームに絶縁テープを巻きつけておく。

きちんとケーブルが接続されている事を確認したら、
後は、逆の手順を追って、
全てを元にもどしていく。
その際にも、
タッチパッドやスピーカー、キーボードの
接続ケーブルのつなぎ忘れがないように、
かつしっかりと接続されているかをチェックする事も忘れずに。
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ノントラブルでさらっと終わるかと思ったら
ものすごく些細な事で
ひっかかったりもしたので
次はそのあたりと、
リカバリー後の挙動などを掲載する予定。
続く。
【VAIO typeP特集ページ】
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