2009年10月08日

「VAIO Xシリーズ」の実物を見て触ったそのクオリティ!(前編)

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「VAIO Xシリーズ」iconの実機を撮影した画像とともに
開発や携わった人たちに聞いた話を交えて。
(以下、サムネイル画像クリックすると大きい画像で見れます。)

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【新たなモバイルカテゴリーVAIO Xシリーズ】


「VAIO Xシリーズ」icon
ソニースタイルモデルの正式型番は、
「VPCX11ALJ」もしくは「VPCX11AKJ」。

今回から、typeという呼び名をやめて
「VAIO Xシリーズ(VAIO X Series)」が正式な名称へとなる。
これは世界で統一するための措置。

型番についても法則が変更、
まずハイフンがなくなりそれぞれのイニシャル数値に意味を持つ。

[VGC]がVAIOカテゴリーの意味で
[X]シリーズ名、
[11]は、2桁目がシャシーを表し、1桁目が世代を表す。
その後ろの[A]はカスタマイズモデルの意味を含み
[L]と[K]はOSのエディション、
最後の[J]は日本という意味になる。



一番の特徴となるのは、
全身が13.9mmという極薄ボディ。
それも“最薄部”が、ではなく“最厚部”も含めて
フルフラットになっている。

液晶側が3.85mm、ボトム側が9.6mmという薄さが合わさって
トータルしてもこの薄さを維持する。

この薄さを維持しながら、
本体の中にはワイヤレスLANはもちろんワイヤレスWAN(or WiMAX)を内蔵、
液晶ベゼル上部にはwebカメラを搭載、
そして、
使用頻度の高いUSB端子が2つ、メモステとSDカードのメモリースロット
ホテルでの利用が多いLAN端子や、
プレゼンテーションに必須のアナログRGBといった端子も持っていて
最低限必要な拡張性は確保しているので、
出先で困ったという事はまずありえない。



液晶天板には、カーボンレイヤーの間に特殊シートを挟む
ハイブリッドカーボンを採用。

コンクリートブロックのような中空構造でも強度を保てるように
中心には特殊シートを採用しながら
外側にはカーボンファイバーの板を敷き
強度を維持したままさらなる軽量化をはかっている。

一般市販モデルはいわゆるスタンダードな“ブラック”カラーとなり、
ソニースタイルの限定として
クリア塗装を施して、カーボン繊維の目が見える
光沢感を帯びた“プレミアムカーボン”が選択可能で、
同じブラック系でも全く受ける印象が違ってくる。



液晶のベゼルやパームレストの縁をよく見ると
内側に向かって弧を描くように削られたようなデザインになっていて
これを「リジッドアークデザイン」と呼ぶ。

まず、外的な圧力でも歪みにくいという特性と
このカドの部分が目に入った時に
光の反射が線状になるためにより薄い印象を受けるとともに
そのデザイン性の高さに加えて
液晶ディスプレイの開けやすさにも貢献する。



液晶のサイズは、持ち運びやすさと
見やすい解像度という使い勝手の最適なバランスを考えた
Tシリーズiconと同じ11.1型(1366×768)のワイド液晶。

LEDバックライトや階調表現が豊かになる8bitパネルを採用して
NTSC比100%という色再現性をもたせていたりと
画質のクオリティまでもTシリーズと同等のクオリティ。

それなのに、
液晶パネル自体は25%も軽量化して、
かつパネル電力を15%下げ、さらにバックライト電力を30%下げる事が
大幅な消費電力の低減につながっていて
それがそのままバッテリーライフの向上につながっている。

また、液晶ディスプレイにはアンチグレア処理をして
蛍光灯や太陽の光を直接反射してしまわずに拡散してくれるので
画面の視認のしやすさと、
ハードコーティングされたおかげで
不意に画面をひっかいても傷がつきにくくなっているたりも
モバイルするにはとてもありがたい。



キーボードは、
一つ一つのキーが独立したVAIOノートのトレンドとなる
アイソレーションキーボードを採用。

キーピッチは約17mmで、
さらにキーとキーの間に隙間があるので
タイミングミスが起きにくく、
またこの薄いボディでもキーストロークは約1.2mmを確保していて
モバイルPCでもきちんとした打鍵感を感じられる。

タッチパッドは、本体パームレストの
全く中心に位置していて、
VAIOとしては初めてのジェスチャー機能を搭載。

おなじみのタッチパッド右端をなぞるスクロールから
回転動作を入れるとスクロールへ移行したり、
二本指を開くとズームイン、閉じるとズームアウト、
二本指で左右にスライドして、送り・戻しといった挙動に利用できる。

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【VAIO Xシリーズの分解した中身】


目の前で開発者の人にXシリーズを分解されてしまって
すっかり分解する楽しみを先に奪われてしまったと残念がりながら
食い入るようにその中身を注視。

見ると一発でわかるとおり、
パームレストの部分は、タッチパッドとメモリースロット以外は
全てバッテリーセルのためにスペースが割かれているのがわかる。


例えば、
Lバッテリーでは、左側に2セル右側に2セル振り分けて
パームレストに収まる形になっている。

ちなみに、バッテリーカバーの形状はそのままに
1セルx1セルの2セルにしたものがSバッテリーで、
ロングバッテリーよりもより軽量化を目指したい場合に最適となる。

そして、
実は、キーボードのあるその下にXシリーズを動作させる
ほとんどのものが詰まっていて、
ボトムの厚さはたったの9.6mmしかないのに
キーボード分のストロークを確保してなおかつ残ったアキスペースだけで
どうにかしなきゃいけないものをどうにかしている。

レイアウトは、
大きく分けて、SSDが中央にあって
その右側にメイン基盤となるマザーボード、
左側にワイヤレスLANやワイヤレスLANのモジュールが収まる格好になる。



そのものすごく狭いスペースに
マザーボードを耐久性を加味した状態で成り立たせようとして
編み出されたのが「片面実装技術」。

ノートPCでは基盤の両面にパーツを並べる「両面実装」が一般的で
CPUやコンデンサの配置やノイズを考えるとはるかにこっちのほうが
やりやすいはずなのに、
薄くするという目的のためだけに、
電気設計、機構設計、品質評価といったVAIO内の部門の担当者が
一同に集まって設計から完成までのトライ&エラーを繰り返し
最終的に信頼性の高い基盤として熟成させた片面実装基板を作り出した。


また、
採用したアーキテクチャは、CULVではなくAtom Zシリーズ。

少しでも高いパフォーマンスを得ようと思えば、
Core2DuoやCULVといったCPUをという事になるのだけれど、
そもそもXシリーズを作り出そうとした源泉になっていたのが
このAtom Zシリーズの小ささであり低消費電力で
そこから、薄型、軽量、ロングバッテリーのXシリーズへと至った
経緯があるといのが実の話。

Pシリーズで、AtomxVistaは正直もっさり感がたっぷりだったのも事実で
パフォーマンスに不安を感じてしまうのだけど
それでもAtom Zシリーズを使おうと決断させたのは
いわゆるトータルバランス。

まずは、Atomはなるべく高クロックなものを搭載して
動作的なパフォーマンスをなるべく向上させる。

この時、仮にZ550(2GHz)を載せて使いまくったら
熱暴走して動かなくなっちゃいましたではありえないので、
今回は自然放熱ではなくて、強制冷却をするためのファンを装備。

いくら低発熱でもCPUは熱を持つのが当たり前で
これだけ薄いボディに載せていたら廃熱も難しく、
局部的に本体の底面が熱くなってしまう。

そこで、極薄の冷却ファンを取り付ける事で
効率よく熱を逃がす事で、
利用時にふとももが熱っ!という事を回避できるし
かつCPUに負荷がかかっても
そのパフォーマンスを遂行してくれるというメリットがある。


そしてSSD。
もうぶっちゃけここまで本体が薄いと、
1.8インチのHDDはおろか、殻付のSSDでさえ収まらない。

なので、基本は基盤剥き出しのSSDがくっつく。

XシリーズのSSDで知っておかなければいけないのが、
搭載する容量によって、そのSSDの規格が変わってくるという事。

まず店頭モデルに搭載される約64GBのSSDは、
SanDisc製のパラレルATA(以下PATA)。

XシリーズのインターフェースもPATAのため
そのまま直結される。当たり前だけど。

で、ソニースタイルで選択する128GBもしくは256GBの場合、
これはSamsung製のシリアルATA(SATA)となったSSDで、
「SATA-PATA変換ボード」を経由して接続される。

これにはそれぞれにメリットがあって、
PATAで接続する64GBのSSDの場合、
SSD自体のパフォーマンスがそこまで高くない代わりに
変換ボードを使わない分消費電力が少なくてその分スタミナ性能が上がる。

逆に、128GBや256GBだと
若干消費電力は増すものの
Samsung製SSDのランダム性能の高速性能が生かされて、
Sandisk製SSDと比べて約61%もの高速性能を発揮する。

ので、
それを知ってしまうと、
自分的には128GBもしくは256GBを選ばなきゃ損な気がする。

高クロックのAtomとパフォーマンスを維持できる冷却ファン、
体感速度の大半を締める超高速なSSDに加えて、
OSが、もっさりVistaからWindows7になれば
その基本動作負荷もかなり減るため、
これがAtom ZのPCなのか?と思えるほどに以外にも快適に動作する。

あくまでもクライアント的な利用方法として
という条件が付くかもしれないけれど、
持ち運びする快適さとのバランスはとても良いのだと判断できる。


実用的な利便性のための一つとしてあるのが、
ワイヤレスLANやワイヤレスWAN、Bluetoothといった無線技術。

今やもうこの3つは必須といっても良いもので、
マウスはBluetooth、
自宅や仕事場ではワイヤレスLAN(IEEE 802.11b/g/n)、
外出時にはNTTドコモのFOMA HIGH-SPEEDという連携はとても気持ちがいい。

ワイヤレスWANに関しては、
上り最大5.76Mbpsの「HSUPA」にまで対応するのは
今回はなんとXシリーズのみ。
HPやブログの画像をアップロードする速度も速くなって
外出時のイライラが少しでも軽減できる。

さらにうれしい事に
Pシリーズ同様に、GPS機能もオマケで付いてくるので、
ナビ的な使い方もそのまま出来てしまう。

また、ワイヤレスWANと排他で
WiMAXを搭載する事も可能で、
自分の活動エリアがWiMAXの範囲であればこちらを選ぶのもアリ。

これらが全て外付けの周辺機器を必要とせずに
全て内蔵で出来てしまうのだから、これほど快適な事はない。



ビジネスシーンにははずせない有線LANやアナログRGB出力も
実装させるのには相当な苦労が伴う。

アナログRGB端子はもう中のコネクタだけが見えている状態で
外周で高さもギリギリ。
有線LANのコネクタにいたっては、
接続するコネクタの厚さが本体の厚さを超えていて
端子部分を固定として、
ストッパーを押さえる部分を開閉式にする事で解決。

こんなイレギュラーなパーツは今までになかったので
当然最初から作らなきゃいけなくて
本体を薄くするという目的にたどり着くには様々な困難に直面する。


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【内部構造を知るためのスケルトンモデル】



このXシリーズのスケルトンモデルは、
売り物ではなくて、内部構造を理解しやすくするための参考物。

あくまでも中身を見えるようするためだけに
透過性の高い樹脂で作られているので
実際のXシリーズほどの耐久性はなく
無茶扱いすると壊れると言われたのでおそるおそる見せてもらう。

まぁこういったものをサンプルで見せてくれるあたりからも
今回のXシリーズの内部構造に自信の高さがうかがえる。



ちなみに品質の話。

開発者が作りたいという意思のもと出来上がったのが今回のXシリーズ。
設計から製造、品質保証までを、
全てを長野県安曇野市にあるソニーEMCS長野テックで開発。

製造設計と生産をする場所が違うと
もしも問題が起こった場合、形が出来上がってしまっていて
修正が難しいけれど、
全てを集約して最初の設計から改善点を指摘できる事は
製品の品質の向上にも寄与している。



それから
品質試験は、過酷な使い方を想定されたtypeGと同等の試験を実施。

モバイル時や持ち運びの状況を想定して
72cmの高さから落としても大丈夫か?といった「落下試験」に始まって
150kgfの「加圧振動試験」や
角の部分だけを固定しての「振動試験」、
「本体ひねり試験」「LCDガラス直押し試験」「一点加圧試験」
といった複数の試験を行っていて
Xシリーズの堅牢性の高さといった信頼性も持っている。

・VAIO品質試験レポート


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長いので、
「VAIO Xシリーズ」の実物を見て触ったそのクオリティ!(後編)へ続く。


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「VAIO Xシリーズ」の実物を見て触ったそのクオリティ!(後編)【ソニーが基本的に好き。】at 2009年10月08日 20:20
この記事へのコメント
CULV搭載はやはり無理でしたか・・・・
まぁ、仕方ないですよね

Tがマイナーチェンジだったので、
Arrandale登場時のフルモデルチェンジに期待がかかります!
Posted by nyaa at 2009年10月08日 15:29
>nyaaさん
結局Atomでしたねー。
ドイツのときの発表では、もしかしたらCULVじゃないか?
と思わせられたんですけどね(汗

Atomなので、Pシリーズくらいのパフォーマンスなのかなと思ってたんですが、これが以外なほどに良く動いてまして、ほぼストレスがかかるほどでもなく動いてくれるのでこれはこれでアリかなと思いました。

TやZは今回はWindows7を載せただけでしたが、来年あたりにこう、ガツンと来るモデルチェンジがありそうですねw
こっちもかなーり楽しみですねww
Posted by kunkoku at 2009年10月09日 15:45
やっぱりアトムだったか〜。残念。今のバイオタイプTのスペックそのままで、前のTZくらいのサイズのバイオタイプTがでないかなぁ〜。
Posted by raiden at 2009年10月09日 20:33
いつも楽しく記事を読ませてもらっています。
一点気になったのですが、「基盤」ではなく「基板」ではないでしょうか。
Posted by ミル at 2009年10月10日 01:13
伝統工芸品のような質感に驚きました。
RGB コネクタ、LAN ポートなど随所に工夫が凝らされているのには驚かされます。


それにしても綺麗なマシンですねー。
Posted by のらくろ at 2009年10月10日 10:04
>raidenさん
Atom Zシリーズというボトルネックがあるような気はしますが、トータルバランス的にはなかなかに快適に動作してくれますw

ですが、TシリーズにはTシリーズの進む道があるでしょうし、そのあたりはやっぱりTシリーズのフルモデルチェンジに期待したいですねww
Posted by kunkoku at 2009年10月13日 15:28
>ミルさん
ご指摘ありがとうございますm(__)m
そのとおりですね、早急に訂正さえていただきます。

これからもぜひぜひよろしくお願いいたしますm(__)m
Posted by kunkoku at 2009年10月13日 15:29
>のらくろさん
この美麗なデザインはもちろんですが、
使い勝手を犠牲にしないインターフェース類やディスプレイ解像度がともなってるからこそ欲しいと思えるマシンですねw
Posted by kunkoku at 2009年10月13日 15:30