2009年10月24日

CPU、SSDの異なる「VAIO Xシリーズ」のパフォーマンスをチェックしてみる。


「VAIO Xシリーズ」iconのレビュー。

見た目のその薄さやその質感は、一目見てわかるけど
実際問題にAtomで使い物になるのか?とか
Atomの3つのCPUで差が本当にあるのか?とか
SSDにもレスポンス的な違いが存在するのか?
といったところがまず気になるところ。

主観はさておいて、
ひとまずどの程度のパフォーマンスを持っているのかを
探ってみる事にする。

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【比較する3機種のVAIO Xシリーズ】

今回は、プレミアムカーボン、ゴールド、ブラックの
3色のカラーに
それぞれ3種類のCPUとメモリーを搭載した
「VAIO Xシリーズ」iconがあるので、非常に比較させやすい。

以下がそれぞれのスペック。


カラー  :プレミアムカーボン
CPU   :Atom Z550(2GHz)
メモリー :2GB(オンボード)
ストレージ:SSD約256GB


カラー  :ゴールド
CPU   :Atom Z540(1.86GHz)
メモリー :2GB(オンボード)
ストレージ:SSD約128GB


カラー  :ブラック
CPU   :Atom Z530(1.60GHz)
メモリー :2GB(オンボード)
ストレージ:SSD約64GB

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【VAIO Xシリーズの中身】

まずは、VAIO Xシリーズがいったいどういった構成で出来上がっているのか
デバイスマネージャーで中の構成を確認。
(サムネイル画像をクリックすると拡大画像あります。)







デバイスマネージャーを見ると
チップセットは「Intel System Controller Hub US15W」、
グラフィックはチップセット内蔵の
「Intel Graphics Media Accelerator 500」に
Atom CPUというVAIO Pシリーズと全く同様の組み合わせ。


『Atom Z550(2GHz)』       『Atom Z540(1.86GHz)』

『Atom Z530(1.60GHz)』

Atom ZというCPUは、通常のCPUと比べて
はるかに低電圧でかつそのCPU自体の大きさも小さいために
モバイル機器にはうってつけのCPUと言えるけれど
ただその反面、パフォーマンス不足もよく指摘される。

ちなみに、今回の3つのCPUの性能を比較。

製品名    動作クロック  TDP
Atom Z550  2.00GHz   2.4W 
Atom Z540  1.86GHz   2.4W
Atom Z530  1.60GHz    2W

FSBは533MHz、2次キャッシュは512KB、
マルチスレッド対応(HTテクノロジー)なので、
OSからは、2つのコアがあるように見える。

上位のZ550、Z540のTDPは0.4Wほど高くなるけれど
消費電力としては220mW、アイドル時の消費電力は100mWと同等で、
バッテリーのスタミナにはさほど影響は大きくはないと思われる。


また、
ストレージは容量によってメーカーが違っていて、
64GBが、SanDisk製「pSSD-P2」、
128GBが、Samsung製「MMCRE28GFMXP-MVB」
256GBが、Samsung製「MMDPE56GFDXP-MVB」
となっている。

SSDの分類からすれば3種類ともに
MLCタイプのものではあるのだけれど
根本的に違うのは、
Samsung製SSDの2つはいつものVAIOに搭載されている
1.8インチサイズで、
インファーフェースがSerial ATAになっているタイプだけれど、
SanDisk製「pSSD-P2」は、物理的に1.8インチの半分以下という
非常に小さい基板だという事に加えて
インターフェースがUltra ATA接続になっているという違いがある。

Xシリーズの開発者の理想系としては、
SanDisk製「pSSD-P2」だそうで、
サイズの小ささからくる軽量化と、
チップセットとの接続がパラレルATAで直接つながるために
Serial ATAとUltra ATAの間に変換アダプタを付けなくて良いために
電気効率の良さからくるバッテリーのスタミナ化にも貢献する。

とは言いながらも
SSD自体の性能は、Ultra ATAのSamsung製SSDのほうが高いので
非力なAtomでバランスを保っているという事を考えれば
より高速なSSDをチョイスしておいたほうが良い気がする。

それを示すわかいりやすい方法としては
やはりベンチマークテストで
その速度の数値を計測してみるのがてっとり早い。

●CrystalDiskMark 2.2


『256GB(Serial ATA)』      『128GB(Serial ATA)』


『64GB(Ultra ATA)』

いきなり顕著に現れたその性能の差。
Serial ATAをUltra ATAへと変換するアダプタが入っているために
おそらくはシーケンシャルの読み書きあたりにリミッターがかかってしまって
本来の性能を出し切れてないにしても、
512Kと4Kのランダムの読み書き速度が
Ultra ATAの64GBのSSDよりもはるかに高速なのが明らかにわかる。

特にランダムの書き込みがパラレルATAの64GBは低めなので
このあたりは実際にOSを動作させている上では
かなりの体感速度の差になって現れるはず。

●HD Tune Pro 3.50


『256GB(Serial ATA)』 
       

『128GB(Serial ATA)』


『64GB(Ultra ATA)』

HD Tune Proで読み込みテストでも
256GB、128GBのSSDは終始安定した性能を保っているのに対して
64GBでは乱高下が激しく見受けられるし、
実際に作業をしている時に感じる速度に
バラつきが出てきてしまいがちになる。

ランダムアクセスでも
256GB、128GBの2つのSSDと64GBとの差はかなりのもので
CrystalDiskMarkのランダム4Kの示す結果とまるで同じ。


『128GB(Serial ATA)』       『64GB(Ultra ATA)』

ファイルベンチマークを見ても
読み込み速度には大きな速度差はないものの、
書き込みになると
Ultra ATAの64GBの落ち込みが顕著にわかる。

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それに当然ながら
データを貯め込める余裕がどれくらいあるかという点。


『256GB(Serial ATA)』     『128GB(Serial ATA)』


『64GB(Ultra ATA)』

それぞれにリカバリー領域として9GBが別に取られていて
そこからOSやアプリケーション分が消費されているので、
実質、出荷された状態で
256GBの空領域が約213GB、
128GBの空領域が約94.4GB、
64GBの空領域が約34.6GB
となる。

大容量になれば
それだけより多くのデータを持ち出しできるし、
扱うデータ量が同じなら、
書き換え回数が減らせてSSDの寿命的なウェアレベリングの効力からしても
優位になるというオマケもある。


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【VAIO Xシリーズのベンチマーク】

それでは、
VAIO Xシリーズがだいたいどれくらいのパフォーマンスを持っているのか
CPUとストレージがそれぞれに違う3機種で
それぞれにベンチマークを測定。

●Windows Vistaパフォーマンスの評価
Windows7が快適に動作できるかどうかを調べる
ベンチマークアプリ。
VistaからWindos7になって、最高評価は5.9から7.9へと引き上げられた。


『Atom Z550(2GHz)+256GB(Serial ATA)』


『Atom Z540(1.86GHz)+128GB(Serial ATA)』


『Atom Z530(1.60GHz)+64GB(Ultra ATA)』

プロセッサは、
Atom Z550(2GHz)で2.9、で2.7、
Atom Z530(1.60GHz)で2.2と段階的に評価が変化。

プライマリハードディスクは、
Serial ATAの256GBと128GBが6.3とかなりの高評価で
Ultra ATAの64GBでは5.2と大きく評価の差が分かれている。

ゲーム用グラフィックスという評価を除いて考えれば
やはりWindows7を動作する上では
CPUがボトルネックになっている事には変わりないので
できれば動作クロックの高いAtom Z550(2GHz)やZ540(1.86GHz)あたりを
選んでおいたほうが良さそうだと言える。

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●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。


『Atom Z550(2GHz)+256GB(Serial ATA)』


『Atom Z540(1.86GHz)+128GB(Serial ATA)』


『Atom Z530(1.60GHz)+64GB(Ultra ATA)』

一般的なトータルベンチで計測すると
Xシリーズが随分と評価が上がってきてるのがわかる結果に。

[ALU]や[FPU]といったCPU演算評価は、
もちろん動作周波数が高いほどより高いスコアに、
ストレージ評価の[HDD]では
やはりUltra ATAの64GBよりも
Serial ATAの256GB、128GBが1.5倍以上の高いスコアになっている。

また、
参考までにVistaベースのVAIO Pシリーズと
Windows XPベースのtypeT(VGN-TX90S)も掲載しておく。


VAIO Pシリーズ(VGN-P90S:Windows Vista)
『Atom Z540 + SSD』   『Atom Z520 + HDD』


VAIO typeT(VGN-TX90S:Windows XP)
『Pentium M 753(1.20 GHz)+ HDD』

2万前後でウロついていたモバイルPCのスコアが、
Atomでも、他の底上げを含めて3万を超えてくると
随分とストレスもなくなってくる。


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●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
PCMark05からマルチコア/スレッドに対応。




System Test Suite(PCMarks)     :1496   1426   1080
HDD_XP Startup(MB/s)          : 34.76   28.01   12.37
Physics and 3D(FPS)            : 7.61   7.61   7.65
TransParent Windows(Windows/s)  : 87.37   82.93   74.64
3D_Pixel Shader(FPS)            :1.1   1.08   1.06
Web Page Rendering(Pages/s)     : 0.73   0.8   0.69
File Decryption(MB/s)           : 18.09   16.93   14.47
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS) : 196.22  195.41  197.31
HDD_General Usage(MB/s)        :27.0   30.92   4.3
Audio Compression(kB/s)         : 479.64  454.74  393.62
Video Encoding(KB/s)           : 147.59   136.96   119.89
Text Edit(Pages/s)             : 29.86   29.31   23.64
Image Decompression(MPixeles/s)  : 8.21   7.31   6.61
File Compression(MB/s)          :2.36   1.59   1.34
File Encryption(MB/s)            :5.55   6.3   5.16
HDD Virus Scan(MB/s)           : 25.97   24.18   17.99
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s): 5.56  5.53  5.44


詳細スコアでは
オレンジが、
SSDの速度的な差で現れたもので
グリーンが、
CPUの動作周波数からくる差として
現れたものと見受けられる。


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●Vana'diel Bench3
(FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークテスト3)

恒例のお約束ベンチマークソフト。
とりあえずやっておく。


『Atom Z550(2GHz)+256GB(Serial ATA)』
・低解像度モード SCORE:平均 756

『Atom Z540(1.86GHz)+128GB(Serial ATA)』
・低解像度モード SCORE:平均 754

『Atom Z530(1.60GHz)+64GB(Ultra ATA)』
・低解像度モード SCORE:平均 741

グラフィックのスペックが低いので
もうどれでやってもスコアはほとんど変わらず。

出張先でメンテナンス
程度なら効果を極限まで落としてやれば
メンテナンス程度で使えるかもしれない。

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【VAIO Xシリーズの実動作は?】



実動作ではどうか?

まずはWindowsの起動や終了、
休止から復帰をストップウォッチで計測。

左から
『Atom Z550(2GHz)+256GB(Serial ATA)』
『Atom Z540(1.86GHz)+128GB(Serial ATA)』
『Atom Z530(1.60GHz)+64GB(Ultra ATA)』
の順。

Windows7起動
 ・画面切り替わり :約40秒  約40秒  約45秒

 ・サイドバーガジェット表示
 ・常駐アプリ全表示
 ・ネットワーク接続
          :約1分25秒 約1分25秒 約1分46秒

終了(シャットダウン) :約32秒 約30秒 約40秒
(3機種とも、バックグラウンドで動作しているアプリを終了があるために
何度やってもそこで8〜9秒余計に時間がかかっている様子。)


休止状態         :約24秒  約24秒  約38秒
復帰(ネットワーク接続):約39秒  約39秒  約47秒


ぶっちゃけ、Windows7だからといって
あんまり速いという気がしないのだけど
おそらくそれはVAIO Zシリーズ(Vista)の
レスポンスが記憶に染み込んでるからで、
VistaベースのPシリーズと比較すれば
随分と待たされる時間は短縮されている。

スペック別に見ると
CPUの差というよりはSSDの読み書き速度の影響が大きいようで
『Atom Z530(1.60GHz)+64GB(Ultra ATA)』が
他2つに比べてやはり遅い傾向があった。

それに
アプリケーションやアップデートプログラムのインストールだとか
アプリケーションの立ち上げ、
外部ストレージとのデータのやり取り
といった事をする場合にも
やはり『Atom Z530(1.60GHz)+64GB(Ultra ATA)』だけが目に見えて遅く
Xシリーズを日常的に少しでもストレスなく使いたいと思えば、
ストレージは
256GBか128GBを選んでおいたほうが良いだろうし、
CPUにしても
Atom Z550(2GHz)かAtom Z540(1.86GHz)を選ぶのが妥当。

今回は、
出荷時デフォルトのままで評価テストしてみたけれど、
どうもブラウザとしてInternetExplorer8の立ち上がりが遅いとか、
Mcafeeが水面下で動くと挙動が重たくなったりするので、
このあたりを好みのアプリに入れ替えてやったりしたほうが
よっぽど高速化しそうな気がした。


・「VAIO Xシリーズ」の実物を見て触ったそのクオリティ!(前編)
・「VAIO Xシリーズ」の実物を見て触ったそのクオリティ!(後編)
・VAIO X Series 開発者トーク(動画版)
・「VAIO X Series」の初期セットアップ(動画編)

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この記事へのコメント
いつもサイトを読ませていただいております。
大変ためになっており、すばらしく思います。

で、質問なんですがリカバリーディスクを作成されましたでしょうか?
また、DVDドライブでの方法しかないでしょうか?

宜しくお願いします。
Posted by たなっち at 2009年10月25日 00:59
>たなっちさん
こんにちはw

えっと自分はまだリカバリディスクは作ってませんが、
リカバリディスクを作るためにはどうしてもDVDドライブが必要になってしまいますね(汗

DVDドライブに関しては、純正でなくても良いのですが書き込み機能は必須ですよね。

ドライブレスのモデルは、こういったオプションをどうにかしないといけないのが難点ですよね。

というかそろそろUSBメモリーにリカバリデータを入れられるようになればもっと便利になるんですけどね(^_^;)
Posted by kunkoku at 2009年10月26日 10:58
ソニーが好きだと、冗談も休み休み言え。ソニーのパソコンは退屈できないほど、障害あり。
Posted by 斎藤 at 2011年12月18日 00:50
sニーSSDは、フォルダー(データー)が、消えるんだぜ。それでも良ければ?
Posted by 佐藤 健一 at 2011年12月18日 00:56
ソニーのスペックは、すばらしい。ただ満足の動かない、
Posted by 有田 雄一 at 2011年12月18日 01:09