2009年10月26日

「VAIO Xシリーズ」と「VAIO 505EXTREME」を懐かしがって比べてみる。


CPU、SSDの異なる「VAIO Xシリーズ」のパフォーマンスをチェックしてみる。
の続き。

かつての光学ドライブレスの初代VAIO505をリスペクトして
2003年に作られた“505EXTREME”

初めてカーボンファイバーを採用したVAIOとして誕生して
その極薄ボディには誰もが度肝を抜かれたものの
当時の価格としては35万円という強烈なプライスが故に
「いいのはわかるけど高すぎてちょっと手が出せない。」的な、
単なるコンセプトモデルのような扱いになってしまって
あまりヒットした形跡は見られなかったりする。。

それから6年の月日が流れて、
あの時の感動を蘇らせる極薄ボディをまとって
「VAIO Xシリーズ」iconが出てきたので、
スタンダードなデザインながらも
薄いと軽いというフレーズのVAIOには異常反応を示してしまう。

とは言いつつも
見た目だけじゃなくて果たして使い物になるレベルなのか?とか
自分の持ってるVAIOと比較するとどうだろうなんだ?とか
同じモバイル系のVAIOとの共存はできるのか?とか
考えてたらいろいろ比べてみたくなったので、
かなり主観の入った内容で比較してみる。


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【VAIO NOTE 505 EXTREME】


まずは、2003年に発売された
今までのVAIO最薄を誇っていた「VAIO NOTE 505 EXTREME」。
カーボンファイバー積層板を採用した
という極薄ボディに
WindowsXPが動作する785gという軽さのVAIOノートと比較。


505EXTREMEは、
液晶を閉じた状態の先っぽの部分は、
最薄部9.7mmと言う点ではXシリーズよりも薄いけれど
シリンダーヒンジに向かっていくと最厚部21mm。

それに対してXシリーズは、
前も後ろも薄さ13.4mmを保ったままのフルフラットになっている。

505EXTREMEの先が尖っている様は今見ても鮮烈で
初代505時代のシリンダーヒンジの名残を残しているという意味でも
今でもとても魅力的なデザインには変わりない。


ディスプレイサイズが、
10.4型のXGA(1,024×768ドット)の4:3と
11.1型のWXGA(1366×768ドット)の16:9という
アスペクト比の違いから
フットプリントの縦と横方向の大きさがそれぞれに違う。


液晶天板を開いてみると、
505EXTREMEのキーボードは、
通常のノートPCとは逆に手前に配置されていて、
その中央にポインティングデバイスという
ちょっと異質な感覚を受ける。

Xシリーズは、
手前にパームレストにタッチパッドを備えて
キーボードがあるというごく当たり前の配置。

505EXTREMEの時はデバイスを本体後方に敷き詰める限界のために
キーボードを前にしたという苦肉の策として作られたものが、
Xシリーズでは、パームレストの下はバッテリーで
そのほかのデバイスはキーボード分を省いた本体の残りの部分に
収めた結果から実現した。

これが時代の進化。


そしてディスプレイ。
この比較画像ではわかりにくいのだけど
ディスプレイの輝度と色・階調表現がまるで違う。

Xシリーズのディスプレイと比べてしまうと
505EXTREMEのディスプレイは、
ノングレアで使いやすさはあったものの
長年使って消耗してしまったのか
最近は画面も暗くて、解像感のないモヤーっとした映像に見えている。

解像度的にもXシリーズだと
広々と見渡せて、Webブラウズするにもその快適さを感じられる。

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505 EXTREMEのスペックとしては、
CPU :Pentium M 1GHz
メモリ:512MB(オンボード)
HDD :20GB(1.8インチ)
チップセット:Intel 855GM
で、
HDDの容量の少なさとアクセススピードが遅いのが難点だったものの
SSDに換装してやるだけで劇的に跳ね上がったので
WindowsXP上で、ネットブラウズやビジネスアプリの処理くらいであれば
今でも十分に動作してくれる。

・505 EXTREMEのHDDをSSDへ換装する!(その1)
・505 EXTREMEのHDDをSSDへ換装する!(その2)
・505 EXTREMEのHDDをSSDへ換装する!(その3)
・505EXTREMEを最新のネットブックと同等レベルの性能にする。(その1)
・505EXTREMEを最新のネットブックと同等レベルの性能にする。(その2)
・旧型モバイルVAIOを復活を期待させる「1.8インチSSD IDE50ピン」(その2)
・激薄なVAIO 505EXTREMEを快適にするSSD「G-Monster 1.8インチV3」


ちなみに、
SSDに換装した状態でWindows7RTM版をインストールしてみる。

パフォーマンスの評価では、
ストレージをSSDにした事で
プライマリハードディスクの評価が6.4という飛びぬけて高い評価になったものの
プロセッサ1.9、メモリ、2.9、グラフィックス1.0と
非常に厳しい内容だった。

でも、これがWindows7のすごいところなのか
SSDのレスポンスのおかげなのか
これでも全然普通に使えていて
Vistaで感じるようなモサーという感じがない。

無理な処理をしなければ現役で十分に使っていける。

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けれど実は、
その処理速度的なところが問題だったのではなくて。。

505EXTREMEは、その薄さ故に
ワイヤレスLANはPCカード(IEEE 802.11b/g)を、
有線LANとディスプレイ出力は外付けアダプターが必要になったり、
外部メモリー(メモリースティック)はUSBマウス側に付いてたり、
もちろん当時としてはまだ
webカメラやBluetoothというのが普及してなかったせいもあって
そういった類のものが搭載されていなかった。


するとどうなるかというと、
ないものは別売の周辺機器を利用しようという事になるのだけど
本体にはUSBポートが2個しかない上に
その2つが隣接してしまってるせいで
同時に差せないという場合もあったり。

さらに
バッテリーは公称値では2時間とあるものの
実働としては1時間がいい所で、
長年使ってるとだんだんヘタってくる部分もあって、
数十分しか持たずにバッテリー切れになってしまって
ACアダプター必須状態になっていた。

本体はスッキリなのに、結局一緒に持っていくものが大量に増えて
総重量としては軽く1kgオーバーは当たり前だった。

・webカメラがなかったら、webカメラを付けてしまえ!
・本当は、ACアダプターだってモバイルには大切な要素。

それが、
「VAIO Xシリーズ」iconは、505EXTREMEの薄さを持ったまま
最新のWindows7が扱えて
ワイヤレスLANもワイヤレスWANもBluetooth、有線LANといった
ネットワーク系が全て内蔵されていて
WebカメラもメモリースティックとSDカードのスロットまであって
バッテリーもほぼ1日出かけて帰ってくるぐらいま持つし
750g程度の本体だけあれば、ひとまずは何も困る事がない。

見た目のインパクトに隠れてしまいがちだけど
“持ち運びできるサイズで不便を感じない”というのが
実は「VAIO Xシリーズ」iconの最大の魅力のような気がする。

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【VAIO typeT(TZシリーズ)】


オマケに、2007年末に買った
VAIO typeT(TZシリーズ)の505 10周年記念モデル
「バイオノート505 10th Anniversary Limited Edition」とも比較してみる。

CPU :Core 2 Duo U7600(1.2GHz)
チップセット:Intel 945GMS Express
メモリ:2GB
SSD:2.5インチHDD or 1.8インチSSD

スペックはこんな↑感じで
ストレージは、良さそうなSSDがあれば絶えず換装してる状態。

ぶっちゃけ、
このスペックでもストレージさえSSDになっていれば
Vistaと言えど普通に動いていて
Windows7にするともっと快適に動作している。


【1.8インチZIFのSSDを搭載する場合】
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その1)
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その2)
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その3)


【2.5インチSATAを搭載する場合】
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その4)
・VAIO typeT(TZシリーズ)に使えるSSDはどれだ?(前編)
・VAIO typeT(TZシリーズ)に使えるSSDはどれだ?(後編)
・VAIO typeT(TZシリーズ)に、2.5インチと1.8インチのSSD2つを同時に付けられるか実験。
・「EasyBCD」を利用してtypeT(TZシリーズ)をマルチブートで使ってみる。



Windows7のパフォーマンスの評価を見ても
プロセッサが3.7、メモリが4.2、
プライマリハードディスクは、SSD化して6.1と
グラフィックスを除けば
そんなに悪くない。

というかもう、Windows7でモバイルするには
最近のネットブックよりも断然高速。


ディスプレイサイズの
11.1型のWXGA(1366×768ドット)というのは同じで
液晶天板のサイズはほぼ同サイズで
TZシリーズはシリンダー型バッテリー部分だけ
縦方向に大きくなる。

ただ、横からみると衝撃的なのが、
TZシリーズが出てきた当初はものすごく薄いモバイルPCだと思っていたのに
今こうやってXシリーズと比べて愕然。。

TZの本体部分よりも
Xシリーズの閉じた状態のほうが薄いという事実にかなり驚く。


それと、
TZシリーズのクリアブラック液晶はとても発色は良いのだけど
蛍光灯の光とかが映りこんでしまうという特性があった。

それが、Xシリーズにはアンチグレア処理がされてるので
ぎらぎらと反射しないという見やすさと、
少しくらいなら画面をひっかいても傷が付きにくくなってる
ハードコーティングされてるというあたりも
持ち運ぶという前提ではアドバンテージに映る。

バッテリーの駆動時間も
TZシリーズは最大で18時間を謳う大容量バッテリーも付属してるのだけど
あまりにも巨大すぎて本体のデザインを損ないまくりなので、
結局見た目にフルフラットになるSバッテリーしか使わない。

同じフルフラットという条件であれば、
やはりXシリーズの10時間という駆動時間のほうがより長い。

重量的には、
TZシリーズが光学ドライブなしという条件で約1Kg前後、
X505が750g前後と考えると、
ほぼ性能は同程度で、薄さと軽さを手に入れられるという事にもなる。

TZシリーズからの世代交代としてXシリーズを買うには
もしかしたらまだ早い?のかもしれないけど
自分の場合、
この買ってしまった505EDITIONは、
限定モデルという事もあって傷つけたくないから
もったいなくて外に持ち出す勇気がなくてずっと自宅用になってしまっていて
それで505EXTREMEが限界になっていたから
というムリヤリなこじ付けを作って
Xシリーズを買ってしまったというのが本音。


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思い入れのあるVAIOだけに
話が長くなってしまったけど、
次回は、
現行Windows7モデルのモバイルノート、
Tシリーズ、Pシリーズ、Wシリーズと比較してみる予定。



【VAIO typeP特集ページ】
【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】

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「VAIO Xシリーズ」の内蔵GPSを利用する。(途中経過)【ソニーが基本的に好き。】at 2009年11月06日 23:01
この記事へのコメント
先日のコメントありがとうございました。

Tシリーズ、Pシリーズ、Wシリーズとの比較楽しみにしております!!
是非宜しくお願いします★
Posted by たなっち at 2009年10月26日 23:20
505 ExtremeのWindows 7のパフォーマンスの評価で、グラフィックスが1.0になっていますが、これは単にドライバーがあたっていないからですよね。大好きな機種だけに、ちょっと残念な記事でした。まあ、ドライバーがあたっても、1.9になるだけではありますが、、、。
Posted by ハヤト at 2009年10月27日 00:23
うちのTZとずいぶんスコアが違いますね><

ちなみにCPUはCore 2 Duo U7700で、
SSDも標準のSAMSUNG MCBQE64GKPQ-M1Aですが
プロセッサ:3.9
メモリ:4.0
グラフィックス:2.0
ゲーム用グラフィックス:2.0
プライマリハードディスク:5.8

グラフィックが全然低いのは何故なんだろう><
さらに私、VistaHome⇒7Proにアップデートしました関係で
クリインストールしたのですが、フェリカは使えずVAIO Smart Networkも機能しません(涙)

くんこくさんの typeZにWindows7RCのクリーンインストールの時のも参考にさせて頂きましたが、やはりHome⇒Homeにアップデートするべきだったと少し後悔してます><
Posted by ほり at 2009年10月27日 01:28
くんこくさん。
いつも拝見させていただいております。

熱があるみたいですが、あまり無理をなさらないようにしてくださいねm(_ _)m

とおろで、YouTubeでおもしろそうなのを見つけましたので是非見てほしいです。

macタブレット関係でそこら中で見てたら、ここに行き着きました。↓

http://www.youtube.com/watch?v=UmIgNfp-MdI

よろしければ、くんこくさんの所感をお聞かせいただけたらと思います。
(あ、体調がよくなってからでけっこうです・・・)

これからもたくさんの更新をお願いいたします。
Posted by オレっち at 2009年10月27日 12:17
ご無沙汰してます!
XとPの比較がとっても気になりますw
Posted by ヨースケ at 2009年10月28日 11:18
>たなっちさん
いえいえありがとうございます。
今日はどうにかTシリーズ、Pシリーズ、Wシリーズとの比較の記事をアップしましたw
私の個人的な思いが入ってるので偏ってるのと、熱でぼーっとしてるので文章が変かもしれませんが(^^ゞ
Posted by kunkoku at 2009年10月28日 17:57
>ほりさん
た、大変申しわけございませんm(__)m
当初載せていたTZの評価ですが、別のマシンのを貼り付けていました(汗

私のTZはWindows7RTMをクリーンインストールした状態で止まってまして、VAIOアップデートに掲載されるであろう7用ドライバー待ちですw

今まではドライバーやアプリを引っ張ってくるのが大変でしたが
それがアップされれば随分と楽になるのかな?と期待して待ってますw
Posted by kunkoku at 2009年10月28日 18:01
>オレっちさん
お気遣いありがとうございますm(__)m
仕事には復帰しましたがちょっと意識が飛びそうです(^_^;)

お知らせいただいたYouTubeの動画見ました!
MicrosoftのタブレットPCのコンセプトモデルでしょうか??
いやー、こんなの出てきたら速攻飛びついちゃいそうですね(笑)
Posted by kunkoku at 2009年10月28日 18:05
>ハヤトさん
505 Extremeに改めてWindows7RTMを入れてみてから評価を計測したのでちょっと悲しい内容になってしまっていますね。

なんですが、この数値とは裏腹に505 ExtremeでWindows7は余裕で動作してくれていますw
なのでまだまだ現役としても通用するほどなのですが、私の場合それ以外の部分で苦しくなってきたので、外ではXシリーズに活躍してもらおうかなと思いますww
Posted by kunkoku at 2009年10月28日 18:09
>ヨースケさん
XとPの簡単な比較記事をアップしましたw
が、あまりご期待にそうような内容ではないかもしれません(^_^;)
Posted by kunkoku at 2009年10月28日 18:10
やはりそうでしたかー!
私のドライバの当て方が悪いのかと試行錯誤しておりました(笑)

7用ドライバ、私も待っていたのですが延期になったのですね><
あと半月、待ち遠しいですね!!


全然関係ないのですが、今日職場で廃棄品の中に
初代のバイオノート505が出てきました少し感動しました♪

しかもちゃんと動作して付属品もアリなんです!
さすがに今更使える代物じゃなさそうですが^^;
Posted by ほり at 2009年10月28日 20:16
>ほりさん
はい(汗
私のミステイクでしたすみませんm(__)m

いやもう早く7用のドライバーを公開して欲しいですよね!
もう早くTZをきちんとしたWindows7機にしてやりたいですw

おぉ、初代505が出てくるとは!
もう数年前だったら欲しい!と思ってしまうとこですが
さすがに長い年数が経ってしまいましたものねー。

私も初代505まだ捨てれずにしまって持ってますよw
Posted by kunkoku at 2009年10月30日 11:54