2009年10月28日

「VAIO Xシリーズ」と現役モバイルVAIO3機種を比べてみる。

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・CPU、SSDの異なる「VAIO Xシリーズ」のパフォーマンスをチェックしてみる。
・「VAIO Xシリーズ」と「VAIO 505EXTREME」を懐かしがって比べてみる。
の続き。

前回は、「VAIO Xシリーズ」iconと旧モデルとを比較してみたけれど、
今度は、現行モデルの
持ち運びを意識したモバイル系VAIOとして
Pシリーズ、Wシリーズ、Tシリーズと比較してみる。

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【VAIO Pシリーズ】


VAIO XシリーズiconVAIO Pシリーズiconは、
ぶっちゃけ中身の構成がまるで同じ。

チップセットは「Intel System Controller Hub US15W」、
グラフィックはチップセット内蔵の
「Intel Graphics Media Accelerator 500」に、
CPUはAtom Zシリーズ、メモリーはオンボードで2GB。

それに動作させるOSが同じWindows7なので、
パフォーマンス的にもほぼ誤差なく同じになる。

CPU   :Atom Z550(2GHz)
メモリー :2GB(オンボード)
ストレージ:SSD約256GB

上記スペックは、
最大周波数のCPUにSSDを選択して
Pシリーズ最大のスペックとなる状態。
(無論Xシリーズも同じ。)


[Pシリーズ:AtomZ550、SSD] [Xシリーズ:AtomZ550、SSD]

そこで
Windows7のパフォーマンスの評価を見てみると
CPUはAtom Z550(2GHz)で2.9、
メモリは4.3〜4.4、
プライマリハードディスクは6.3と同等。

グラフィックスとゲーム用グラフィックスだけは、
0.2という誤差とも取れる程度の差で
挙動はほぼ同じだと思われる。

という事で
パフォーマンスがどうのこうので
XシリーズとPシリーズはないので
やっぱりそのスタイルから自分の使い勝手にあってるかを
考えたほうが良い。


なので見た目比較。
Xシリーズは確かに薄い(13.9mm)、
けれどPシリーズは、その高さも19.8mmと約5mm程度しか変わらず
それ以外の縦横サイズは断然小さく、
トータル的なコンパクトさは群を抜いている。

Xシリーズは、
どっちかというとビジネス系バッグだとかに
場所をとらずに、それこそノートやファイルと一緒に納められて
仕事ツールの一部と化している雰囲気。

Pシリーズは、
これだけコンパクトになるとバッグを選ばないというか
普段出かける用のちょっとしたポーチや小さなカバンに
ポンと入れて気軽に持ち出せるという感覚。


Pシリーズは、
カフェのテーブルだろうが、キッチンのテーブルだろうが
フットプリントの大きささえあれば置けてしまう気軽さと
ディスプレイを開いても大きく上方向にせり出さないので
どこで画面を開いてもそんなに周囲の目を気にする事もない。

ディスプレイには、
ARコートをしてあるので反射もあまり気にならないし
クリアパネルがハメ込んである事もあって少しくらいの衝撃にも耐えられる。

ただし、
Pシリーズの一番の苦慮する点は、
小さいディスプレイのに
なまじ解像度が1600×768と非常に高いために
文字が小さくてずっと画面を見続けてると
目が疲れたり肩が凝ってしまいそうになる。


そういった面では、
Xシリーズは、11.1型に1366×768という解像度なので
若干余裕のあるサイズで
かつ広々と見渡しやすい解像感というのがメリット。

ディスプレイは、
色再現性を高めて映し出される映像は非常に美しく、
アンチグレア処理を施して外光が反射しにくいといった
長時間使っていてもより快適に使えるを目指しているのがわかる。


それと
ホテルでは有線LANをつなぐ事が多かったり、
プレゼンテーションをするのにディスプレイにつなぐにも
Xシリーズは、Pシリーズのようにオプションパーツを使わずに
本体に直に差せるので
うっかり忘れた!なんて事もない。


Pシリーズは、見た目のスマートさを優先しようと思った場合は
Sバッテリーをチョイスする事になるのだけど、
これで重量は588gという本体の小ささに加えて
600g切りの軽さは魅力。

ただし、バッテリーの駆動時間としては公称値4時間なので
ちょっと持って出かけるとしても
実働時間を考えると不安が残る。

本体の底面が出っ張ってしまうけれども
あえてLバッテリーをチョイスすれば公称値8時間となって余裕を持てる。
重量としては757gとなるものの
この重さでXシリーズと同じと考えれば悪くない。

Xシリーズは、
薄型スタイルを維持したままでスタミナ性能を保てる
Lバッテリー(公称値8.5時間)がベストバランス。

この2台に優劣は付けられないわけだけど、
勝手な自己解釈からすれば、
スマートフォン的な延長にあって
トイレだろうが寝室だろうが電車の中だろうが
どこでも一緒に持ち歩いて使いたいという衝動が強ければ
Pシリーズのほうが向いているだろうし、
以前から仕事やプライベートでPCを使っていて
出かける時の荷物(もしくは重量)を減らしたい
とは思うけど、使い勝手が今までのPCから損なわれるのは困るという
気持ちが大きければXシリーズのほうが適している。

どっちも見た目のインパクトが強いだけに
より吸引力の強いほうを自分の心に従って
選んであげるのが一番かと。


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【VAIO Wシリーズ】


思いっきりネットブックというジャンルに浸かったVAIO Wシリーズicon

CPUは、Intel Atom N280(1.66GHz)、
チップセットは「Intel 945GME Express」で、
グラフィックは、
チップセット内蔵の「Intel Graphics Media Accelerator 950」
という、ネットブック定番の組み合わせ。

XシリーズやPシリーズに採用されているAtom Zシリーズではなく
Atom Nシリーズを持ってきているので
発熱量は上がるしバッテリーの持ちは落ちてはしまうけど
その分CPUのパフォーマンスは高くなるので
Windows上でアプリを動作させるにはこちらのほうが少し快適になる。



CPU   :Intel Atom N280(1.66GHz)
メモリー :2GB(オンボード)
ストレージ:SSD約64GB

上記スペックのWシリーズの
Windows7のパフォーマンスの評価を見てみると
CPUはAtom N280(1.66GHz)は2.4、メモリは4.6、
グラフィックス2.1、ゲーム用グラフィックス3.0、
プライマリハードディスクは5.9。

評価はいまいちだけど
これが以外なほどに動作は機敏で
Windows7上で動かすにはとても快適で
XシリーズやPシリーズよりも軽く感じられるので
パフォーマンス的には十分に納得ができる。

サイズ的には、厚みは3cm前後あるけれど
縦横サイズはXシリーズよりもほんの少し小さい。

重量も1.19kg程度で極端に重いという事はなく
持ち運べる許容範囲。


WシリーズのキーボードはPシリーズと共通で
キーピッチは約16.5mmのとキーストロークは1.2mmで
別段打ち難いという事はない。

WシリーズやPシリーズのキー配列は、
その小型ボディのサイズに収めさせるために
[半角/全角]のキーの位置が変更されていて
慣れないとミスタイプしてしまうかもしれないのだけど、
Xシリーズにはそういった不規則なキー配列はないし
キーピッチが17mmと若干余裕のある大きさからすれば
ブラインドタッチがしやすいというメリットがある。


Wシリーズのディスプレイは、
10.1型(1366×768ドット)と
Xシリーズの11.1型(1366×768ドット)とは、
1インチだけディスプレイサイズが小さいものの
解像度は同じなので
広く見渡せてwebブラウズとして使うには申し分ないし
この高解像度が他メーカーの同サイズのネットブックに比べての
アドバンテージになってるのかもしれない。

が、しかし
Wシリーズはそのネットブックというスタンス故に
コストを意識した作りになっていて
ところどころに突っ込みどころがある。

まずその一つがディスプレイで、
PシリーズのようなARコートも
Xシリーズのようなアンチグレア処理も
何にも施されていないそのまんまのTFT液晶なので、
ぶっちゃけいろいろ画面には反射する。

それと内部パーツを冷却するファンが内蔵されているのだけど
このファンがもうほぼ常時回りっぱなし。

昼間はいいとして、夜の静かな時は
このブンブン回るファンの音がかなり気になる。
たまに回るならまだしも
何かしてるとずっと回ってるのであまり気持ちのいいものではない。

それにともなってか
バッテリーの持ちも異常に短くて
公称値で3.5時間と書いてあるものの
実際に使ってみたら1時間半持ったらいいくらいで
ACアダプターを差さずに使ってると、
あれ?もうバッテリーがない!と思う事がしばしば。

それこそWシリーズを外出時に持っていくなら
Lバッテリーを装着するか、ACアダプターは必須と言える。


いつもはACアダプタをつないで使っていて
たまにコンセントを抜いてテーブルに持ってきて調べ物してみよう
くらいなら不満はないものの、
家の中でもしょっちゅうバッテリー駆動で使いたいとか
外出するときに持っていこうと思うと
Wシリーズだとストレスが貯まる可能性もある。

その点、Xシリーズの作りこみは秀逸で
使っていてのイライラ具合ははるかに少ないように思える。


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【VAIO Tシリーズ】


CPUが超低電圧版とはいえCore2 Duoを搭載するTシリーズ。

それもメモリーは8GB載せたり、SSDをRAID 0で組めたり
BDドライブを搭載するあたりから
全く巨大なノートPCと同じくらいの性能を持っていて
はっきりいってモバイルVAIOという中に入れるには
もう反則気味な高いパフォーマンス。

Tシリーズの最高スペックは以下のとおり

CPU   :Core2 Duo SU9600(1.6GHz)
メモリー :8GB(4GBx2)
ストレージ:SSD約512GB(256GBx2)

うーん・・・
Atomとかオンボード2GBのメモリーとかに目が慣れてると
何ですかこの化け物じみたスペックは?と思ってしまう。


Windows7のパフォーマンスの評価を見てみると
CPUはCore2 Duo SU9600(1.6GHz)で4.8、
メモリーは800MHzのバス幅とデュアルチャンネルで4.9、
グラフィックスとゲーム用グラフィックスは、
チップセット内蔵のGMA4500MHDとなるため3.2止まりとなるものの
プライマリハードディスクはSSD RAID 0のおかげで7.7
という超高評価。

もちろん動作レスポンスも半端じゃなく良好で
自宅PCと遜色ないほどの動きをするのは当たり前で、
非常に負荷のかかるハイビジョンの編集やBD再生も難なくこなせる。

仮にこんな超ハイスペックじゃなくて
メモリーが4GBでも、SSDが1枚でも
GS45 Express チップセットにCore2 Duoがのっかっているだけで
Atomを搭載したXシリーズやPシリーズ、Wシリーズよりも
挙動は随分とクイック。


ディスプレイは、TシリーズとXシリーズともに
11.1型(1366×768)で
NTSC比100%という色再現性をもった
非常に色鮮やかな表示が可能になっていて
さらに
外光が反射しにくいアンチグレア処理や
ひっかき傷やすり傷が付きにくくするための
ハードコーティング処理を施してあるなどして、
ディスプレイとしての質はかなり高い。

逆に言えば、Tシリーズの特徴的なこのディスプレイを
Xシリーズにも同じように載せてきたというほうがすごいのかもしれないけど。


同じディスプレイサイズなので
フットプリントはほぼ同じながらも
開閉シリンダー機構を持たしてある分だけTシリーズのほうが
縦方向に長くなる。

さらに
その高い処理能力やドライブを内蔵できるスペースを必要とするため
23.5mm〜30.7mmの高さを必要とする。
このあたりに若干の物々しさというか巨大感を感じなくはない。

その本体の厚みから確保できるバッテリーセルからして
バッテリーの持ちもかなり長くて
標準バッテリーでも
Celeronと2.5インチHDDという組み合わせにして
公称値6.5時間、
Core2 DuoとSSDの組み合わせなら
公称値11時間というスタミナ性能を誇る。


こう書くと
なんだかもうTシリーズは非の打ち所がないほどに
ハイエンドなマシンだという事がわかるのだけど、
それだけ高いスペックにすると、当然値段も跳ね上がってくる。

サイズ的というよりも予算的には高額になるので
外出先でもパフォーマンスの高さを重視して
ストレスのない快適な処理がしたいと思うなら
Atom CPUではなく、CeleronやCore2 Duoを搭載できるTシリーズが最適だろうし、
そこまでの高性能は望んでないけど
webブラウズやビジネスアプリ程度をバッテリー残量を気にせず
どこでも使いたいという欲求ならXシリーズのほうが満たしてくれる。


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もともと
モバイル系VAIOとしてはこのTシリーズがその代表格だったものから
AtomというCPUが登場した事で
より低価格で小型なPシリーズやXシリーズが生まれる事になったのだから
モバイルVAIOというジャンルで一まとめにするには
無理があるのかもしれないけど、
これだけの選択肢があると
自分によりフィットするVAIOを見つけやすくなったのも事実。

スタイルや予算を含めて
昔に比べたら随分と手に入りやすい価格になってきたし
Pシリーズ、Xシリーズ、Tシリーズには
ワイヤレスWANを内蔵できるのだから
いつでもどこでもネットに接続する事ができて
自宅と変わらない環境を維持しやすくなるから
出かける時には余計一緒に持っていきたくなる。

ひとまず
自分的には、Xシリーズがお気に入りなので
自宅で寝っころがって使う用&仕事で出かける用として
活躍してもらうつもり。


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「VAIO Xシリーズ」の内蔵GPSを利用する。(途中経過)【ソニーが基本的に好き。】at 2009年11月06日 23:01