・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(プロローグ)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(ディスプレイ編)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その1)
の続き。
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<何はともあれ速攻DDR3を搭載>
GM45 Expressのチップセットは、
DDR2-800MHz/667MHzと
DDR3-1066MHz/800MHz/667MHzまでをサポート。
そこで、
VAIO typeZでは、
現時点ではDDR2に比べてまだ高価とされるDDR3のメモリーを積極的に採用。
だいたい、このあたりで
手抜きをしてDDR2とかでお茶を濁して
後発のモデルにあっさりDDR3を採用されて、
あーあみたいな事になりがちなのが今までのパターンだったのに
今回は、何の躊躇もなくDDR3を選んでるあたりに
いつもと違う気合の入り方を感じる。。
DDR2の稼動電圧は、1.8Vなのに対して、
DDR3の稼動電圧は、1.5Vと
消費電力と発熱量それぞれに30%も削減。
DDR3なら、消費電力をDDR2-667MHzと同等レベルを保ちながら、
1066MHzという40%以上向上した帯域になって、
高パフォーマンスで動作させる事ができる。
この帯域というは、車(データ)の走る“道の幅”ようなもので
SZシリーズでは、
CPUのFSBが800MHz、メモリーバススピードが667MHzから
typeZでは、
CPUのFSB、メモリーバススピードともに1066MHzに拡大して、
大量にデータが流れた場合でもスムーズに流す事ができて
渋滞(ボトルネック)となる部分が減る分、
そのままパフォーマンスの向上にも寄与する。
また、
メモリーの配置という面でも、
SZシリーズやtypeSでは、2枚のメモリーを横に同列に並べていたものから
typeZでは、縦に2枚重ねる構造にする事で
タテヨコ方向の面積を減らすなどして
少しでも場所を確保しようとするなどの工夫も見られる。
マザーボードが
ここまで高密度な基盤になってくると、
理論上では上手くいったとしても、
実際に動かしてみると1066MHzではエラーが出てしまって、
800MHz程度でしか動かない
なんて事に遭遇したりもするわけで、
それも、極小基盤への過去培った経験を品質に生かす事で、
1066MHzのフルの動作させる事にも成功させたという
苦労話も開発の人から聞いた。
参考までに、
typeZ、typeS、SZシリーズともに
同じSO‐DIMMスロットでも
搭載するメモリーが違うので、
今後のメモリー増設には注意が必要。
typeZに対応するメモリーは、PC3-8500(DDR3-1066MHz)
typeSに対応するメモリーは、PC2-6400(DDR2-800MHz)
SZシリーズに対応するメモリーは、PC2-5300(DDR2-667MHz)
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<ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス>
SZシリーズの代表的な特徴でもあった
内外のグラフィックの切り替え機能のハイブリッドグラフィクスを
typeZでも継承。
外出先でバッテリー駆動で長時間使いたい場合には、
STAMINAモードに切り替えて
内蔵グラフィックスの
Intel GMA 4500MHDを使用。
ACアダプターが使える場所でフルに性能を発揮した場合には
SPEEDモードに切り替えると
外部グラフィックの
nVIDIA GeForce 9300M GSを使う。
そして、
SZシリーズでは、
グラフィックスの切り替えをするにはPCの再起動が必要だったのに、
typeZでは
再起動が不要で、
スイッチを触っただけで、そのまま切り替えて
作業を続行する事が可能になった事が非常に大きい。
機構の大筋を簡単に書くと、
キーボード上にあるパフォーマンススイッチを切り替えると
まず、ハード的にPower制御とBus SW制御を切り替わって
それからソフトウェアとしてインターポーザー・ドライバーが受け取り
そこから
インテル内蔵グラフィックドライバーか
nVIDIA外部グラフィックドライバーかの切り替えをして、
Windowsのほうにデータを出力、
最終的な出口となる本体液晶モニター、VGA、HDMIに
信号を出すという流れになる。
また、
ただ単純に、グラフィックが切り替わるだけでは芸がなくて
細やかに省電力の設定までも変える仕組みを
盛り込んであるのがミソ。
例えば、STAMINAモードにした場合、
内蔵グラフィックに切り替わったと同時に、
外部グラフィックコントローラの電源を落として
省電力をダイナミックに制御。
ここで一つ
無駄な電力を使わない作業が行われてる。
デバイスマネージャーで確認すると、
SPEEDモードからSTAMINAモードに切り替わると
GeForce 9300Mがデバイスマネージャーから消え、
その逆に切り替えるとまた現れるのが確認できた。
さらに、
電源プランが
「VAIOスタミナ設定」に自動的に変わり、
液晶輝度を調整する、光学ドライブ止めるなどといった
さまざまな省電力機能を働かせて、
より消費電力を抑える事もできる。
ここは、
STAMINAモード時に
ソフトウェア上の設定を自分で決められるところなので、
もっともっと省電力を突き詰めたり
微調整をしてバッテリー駆動時間を伸ばすという事も出来なくはない。
(省電力化しすぎると、ものすごく使いづらくなるけど。)
ちなみに、
グラフィックを切り替えると
一瞬画面が暗くなって、
中でごにょごにょやって、落ち着くまでには
約10〜20秒?くらい。
試作機をいじってて脳内計算なのでものすごくアバウトだけど
再起動にくらべたら我慢できるレベル。
何しろ、
再起動という時点で、もういいやとあきらめて使わなかった機能だけに
ふと思った時に切り替えられるから
これだったら使うかも?と思ってみたり。
後から気づいた事だけど、
「グラフィックの切り替えには実行中のアプリを全て終了する必要」
という注意書きがHPにもあるのを知らなくて
アプリが出てる状態で切り替えてしまったけど
特に注意書きのインフォメーションが出てきたものの、
出しっぱなしにしてたアプリが
ブツっと落ちて消えてなくなる事はなかった。
たぶん保障はされてないので過信は禁物。。
(リテールモデルのSTAMINAモードのWindows Vista評価)
内蔵グラフィックの「Intel GMA 4500MHD」は、
SZシリーズの「モバイルIntel GMA X3100」に比べると
かなりのパフォーマンスアップをしているようで
DirectX 10に対応したり、
Blu-Rayを再生する能力までも備えていて
普段使いでも足をひっぱらない程度に使えそうなので
バッテリー駆動時には積極的に切り替えたい気分にもなる。
SZシリーズの時ではソニーが独自に
2つのグラフィックをくっつけて
切り替え機構を盛り込んでただけなので、
物理的に再起動せざるを得なかったようだけど
今回は、開発時点から
IntelやnVIDIAとのメーカー間で共同して綿密に取り組んだおかげで
再起動なしのダイナミック切り替えが可能という
パフォーマンスとスタミナを、
ユーザーレベルで簡単に切り替えるまでに至ったという経緯がある。
使う側にとっては簡単でも
作る側は相当に大変だったようで
それでもスタミナとパフォーマンスを1台で両立させるという事を
重要なテーマと捕らえて完成したのがこの
ダイナミック・ハイブリッドグラフィックスだそうだ。
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<GeForce 9300M GSを搭載した理由>
と、
ここで終わらずに
さらに聞いてみたい事があって突っ込んだ質問もしてみた。
なぜ「GeForce 9300M GS」をチョイスしたのか?
開発側からの言い分を肯定的にとると、
最新のnVIDIAグラフィックチップセットとしての選択として、
想定しているのは
CADデータ、フォトショップといったビジネスよりのアプリ?は当然として
BDの再生や、動画系の処理をこなせるグラフィックを難なく動かせるところ、
そして、その逆にパフォーマンスだけでなく
バッテリーの持ち具合とのバランスから
GeForce 9300M GSという選択肢になった。
それと、
グラフィックの専用メモリにしても、
SZシリーズでは少なすぎた64MBから、
リテールモデルでも128MB、
VAIOオーナーメードモデルでは最大256MBまで搭載をさせた。
その結果として
SZシリーズに搭載していた
「NVIDIA GeForce 8400M GS」比からすれば、
3DMark06のスコアでも
2倍の差をつけたパフォーマンスを発揮している。
(比べる対象が低いという突っ込みはなしで。)
と、
主張されてる話を聞けば
おそらくGeForce 9300M GSでも
一般用途で扱う分には十分なグラフィックパフォーマンスとも思える。
(リテールモデルのSPEEDモードのWindows Vista評価)
ただ、
nVIDIAの新グラフィックのラインアップを見ると
まだまだ高性能なタイプがたくさんあって、
最近のえらく負荷の高いゲームを快適にしたいという欲求からすれば、
もっとハイエンドなグラフィックが付いてくれたらなという
気持ちがないわけでもない。
そこを意地悪く突っ込んでみると、
やはりそれなりの理由が見え隠れしていて、
この
VAIO typeTに次ぐモバイルマシンという、ごく限られた空間(筐体)の中で
消費しきれるグラフィックの熱量とすれば、
やはり10W強がギリギリになりますよと。。
仮に、もっとパフォーマンスの高いグラフィックを
載せられなくはないのだろうけど
それを搭載した事によって、
本体のサイズをもうちょっと大きくしないといけないだとか、
駆動時に異常な熱を持ってしまったりすると
モビリティというもう一つの目指しているものからかけ離れてしまう
という理由が大きいようで、
そのベストバランスというところで、
GeForce 9300M GSとなったのだそうだ。
って言われたら
納得せざるを得ないような・・・
(それを聞いて、じゃあtypeAとかにはイカツイのを積んでねと思ったけど。)
ただ、
グラフィックの専用メモリーの少なさはとても意識していたようで、
今回は最大で256MBまでは載せたとの事だった。
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その3)
に続く。
・インテルCentrino2の秘密
・Reason of Z
・typeZ & typeS徹底比較
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