2008年08月07日

究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その3)



・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(プロローグ)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(ディスプレイ編)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その1)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その2)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(パフォーマンス編その3)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その1)
・究極のモバイルVAIOノート「VAIO tyepZ」レポート(デザイン編その2)
の続き。

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<原点回帰のシリンダーフォルム>


初代505からtypeTに引き継がれた
シリンダーフォルムのヒンジをtype Zにも採用。

最近は、typeSにもtypeF[FWシリーズ]にもシリンダーデザインを採用して
まるでスーパーサイヤ人が量産されてるみたいで
若干特別感みたいなのは薄れつつあるけど
一本のラインの通ったシリンダーを軸に液晶天板が折りたたまれる様は、
VAIOノートらしさを感じられる要素でもある。

見た目のデザイン性はもちろん
背面がラウンドした突起のない形状のおかげで
持ち運ぶ際に手に持った時でも、しっかりとホールドできて
カバンに入れる時にもひっかかりにくい
実用的なデザインとして採用されたのが
シリンダーデザインになる。

SZシリーズよりも
液晶を支える軸の口径が大きくなっている事からも
そのぶん液晶の自重を支える力は強く、
長期にわたって画面を開け閉めを繰り返した場合でも
ふにゃふにゃになって勝手に液晶画面が倒れてしまう
なんて事も起きにくくなるのも利点のひとつ。


そして、遠めにもわかるのが、
シルバーメッキで囲まれたリングの中央に
鮮やかに光り輝くエメラルドグリーンのイルミネーションの電源ボタン。

typeTのときにも話題になったけど
PCの電源ボタンのLEDというのは、基本的に“グリーン”だと定義されていて
一般的には緑色に光ればよくて
あえてこのライティングにこだわるメーカーは少ない。

けれど、あえて
電源を綺麗に光らせるために
高輝度LEDを採用、導光板や拡散板の部品を選定して
鮮やかなエメラルドグリーンの光を発光させている。

スタンバイ時には、
オレンジ色に変わり、ゆっくりと明滅して
まるで意思を持って眠ってるかのように見える。

typeTからの改良点としては、
電源ボタンの部分だけ発光するだけではなくて、
正面や後ろから見た時でも電源が入っている事がわかるように、
ヒンジの部分にも同色でリング状に光るインジケーターを備えた事で
視認性にも配慮がされている。


反対側のシリンダーの左部分には、
電源コネクタが配置されて、
シルバーメッキされたリングの中央に
黒いDCジャックが見える。
typeTのような黄色いリングはない。

DCコネクターのジャックには
電源を示す表示が必要となっていて、
背面のシリンダー部分に電圧は19.5Vと記載。

こういった注意書きの演出は、
ガンダムのマーキングにも似ていて、
妙なマニアック心をくすぐられるのは自分だけか・・・


また、
バッテリー形状は円柱ではなく、
セルを2列にしたタイプで、
typeS同様に本体の内側にまで入り込んだ形になる。

見ると、
バッテリー形状は全く同じ(VGP-BPS13A)にもかかわらず、
typeSの場合は、素材色のブラックのままで、
typeZのバッテリーに限ってシルバーカラーとなって、
背面から見た時に1本のシルバーに見えるように
本体の底面にも塗り分けがされていたりと、
あくまでもデザインにこだわりに手をいれている事がわかってくる。

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<高速でスマートなワイヤレス環境>


“電波のお化け”、
と称されるように最近のPCは、目に見えない電波が出まくりで、
Bluetooth、ワイヤレスLAN、ワイヤレスWAN、Felicaと
この狭い筐体からいろんな電波が飛び交いまくる。

それぞれにアンテナと感度が存在して
電波を拾うと同時にノイズも拾いやすい性質があって
さらにその近くにCPUのように高周波で動くものまであると
アンテナ感度を悪くしてしまう原因にもなる。

その目に見えない電波との戦いも
設計の難しいところだそうで
これまたこの電波というのも国々によって規制も違うし
当然人体に影響がないという事を念頭につくらなきゃいけないから
それ専用の部屋を用意してVAIOは作られているというのは
去年、長野のVAIOの工場に行った時に聞いた話でもある。


802.11a/b/g/nに対応したワイヤレスLANは、
Centrino2基準の
Intel WiFi Link 5000シリーズのワイヤレスモジュールで、
typeZに装着されているのは、
802.11n(ドラフト規格)の300Mbpsに対応した「WiFi Link 5100」。

ワイヤレスモジュールだけの話からすると
上位に450Mbpsに対応した「WiFi Link 5300」というのも存在している。

PCI Express Mini接続なので、
チップを交換すれば、変更できなくはないけど
現時点では、
そこまで出せるワイヤレスLANアクセスポイントが存在しないので
実質意味を果たさない。
それにあくまでも理論値での話で実行速度ではない。

ひとまず300Mbpsの802.11nに対応した
ワイヤレスLANアクセスポイントが自宅にあれば、
非常に快適なワイヤレス環境が作れて、
例えば
vaio mediaplusのハイビジョン動画の転送も
ワイヤレスで見る事もできる。


そして何といっても快適なのがワイヤレスWAN。

ワイヤレスWANを搭載させると、
本体の中にNTTドコモのFOMA HIGH SPEEDに対応した
通信モジュール内蔵が内蔵される。

SIMカードのスロットは、
バッテリーを取り外したところの、
本体の後面左側にあって、そこにカチっと押し込むだけで装着できる。

typeTやSZシリーズでは、
受信最大速度が3.6Mbpsまでにしか対応していなかったけれど、
今回typeZに内蔵されたモジュールは、
現時点で最高通信速度となる受信最大7.2Mbpsにまで対応。

SZシリーズの時は、
想定されていなかったためにアンテナは外部にのびて
物理的に邪魔だったものが
typeZでは内蔵されたので、外観に変化はなく非常にスマート。

ドコモのFOMA HIGH SPEEDエリアなら、
ワイヤレスLAN環境を探さなくても
どこにいても、実効速度でADSLくらいの速度で通信できて
これほど便利なものはない。

最大の注意点は、
法人モデルのtypeZでWindows XPにダウングレードをしてしまうと
このワイヤレスWANスロットは使えなくなる

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<et cetera(エトセトラ)>


主要なデバイス以外のコネクタらにもこだわりが。

コネクタの配置も使いやすさを優先。
何かを接続して、結果として飛び出す線材なとは側面に配置して
飛び出して邪魔になる事はないメモリーカード類や
ワイヤレススイッチはアクセスしやすいように手前。

本体の左側面手間前面にあるヘッドホン端子とマイク端子は、
typeTと同じく、コネクタが黒く塗装。

一昔前のVAIOノートは
ヘッドホン端子は緑色、マイク端子は赤色になっていて
どちらもボディと同色になって違和感がなくなった。

内部では、
設計上では一緒にしてしまったほうが楽だけれど
コネクタを接続する基盤を、メイン基盤と切り離して配置。

そうする事で、
例えばUSBのコネクタを左右に1個づつ振り分けて
利便性をよくしたり、
コネクタを抜き差しする時のふいの衝撃を、
直接にメイン基盤に与えないという配慮がある。


メモリーカードは、
メモリースティック(Duoサイズ対応)スロットで、
マジックゲートに対応。

そして、高速データ転送にも対応。
typeTもSZシリーズも、この専用のメモステスロットの転送速度が遅すぎて
大容量のデータを転送するときにものすごくイライラする事があったけど
今回は高速化。

ちょっとしたデータ転送を試しただけだけど
明らかに早さを体感できたのでこれはかなりありがたい進化。
(ここはぜひ、実機で転送速度の実測値を試してみたい。)

もうひとつのメモリーカードスロットは、
SDメモリーカードとマルチメディアカードに対応。

さらにSDカードは、
高速大容量のSDHCメモリーカードにも
著作権保護機能(CPRM)に対応しているあたりは芸が細かい。

タッチパッド手前のクリックボタン中央にあるのが
指紋認証。
指1本でなぞるだけで、パスワード解除できる便利さは、
手軽にかつ確実にtypeZのセキュリティを高める事ができて結構便利。

非搭載にすると、そのままクリックボタンだけになる。

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<ブラックを基調としたプレミアムデザイン>

今回のtypeZは、
カラーバリエーションではなく、
基本のブラックカーボンのカラーを基調として、
その素材感を生かした3種類のプレミアムデザインが選択可能。

コンセプトはラグジュアリーで
サブコンセプトはクラシカルヨーロピアンスタイル。


【ゴシック・アラベスク】
中世のヨーロッパのアイアンの格子に絡まる蔦をモチーフ。
ブラックというカラーだけで立体感と深みのある表現をして、
成熟した完成を主張。


【ボタニカル・ガーデン】
影を映したようなブラウンの植物柄に、
ホワイトの細いラインが重なり合う奥行き感を感じさせる
印象的なニュアンスを秘めたデザイン。


【ライン・フォーレスト】
繊細なラインの描くモダンな唐草模様。
ホワイトのラインが複雑に交錯して、
その柄の中にハート型が見え隠れする。


今回は、ブラック、デザインバリエーションに問わず
webカメラ《MOTION EYE》
搭載、非搭載を選択が可能。

液晶のごく薄い幅に収めるために
超薄型カメラモジュールを採用、
約31万画素と有効画素数が少ないのが残念だけど、
レンズにはARコートを施して、ハッキリとした映像を映し出せるようになっている。

同じく内蔵マイクも埋め込まれるので、
Skypeなどでビデオチャットするには必須アイテムとなる。


ひとまず、
大人の雰囲気をかもしだすものが多いため
的をはずしてしまったデザインはなく、
ブラックをベースとした落ち着いた印象は変わらない。

ただ、ただ
そうは言ってもカラーのバリエーションはやって欲しかったところで、
typeTで展開された
ボルドーやシャンパンゴールド、グリーンといった
ラグジュアリーカラーは
あえてtypeZには非常に映えるんでは?と思ったほど。
(本当はプレミアムブルーをやって欲しいけど。)

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この13インチというサイズのPCは、
性能を削らずにハイパフォーマンスの出せる限界のサイズで、
その中に、
現時点で盛り込めるであろうハイスペックを投入してきたtypeZ
やはり相当な魅力的なモデル。

SZシリーズの時には、基本ベースはすごく良いのに
どうしても「キーボードがね。」とか「液晶がいまいち。」
と、細かい部分でどこかに否定的な意見が出てしまっていたのも事実で、
そうして2年半にわたって突っ込まれまくったところを
かなり実用レベルにまで落とし込んで
中の開発の人らが
その欠点とも言うべき部分をキチっと修正して
このtypeZが出来上がったとも言える。

もちろん、
どんなに究極だと思えるPCでも
時間が経つにつれて、不満も出てくるものだけど、
現時点ではかなり完成度が高いマシンだと思えるし
予想以上に盛り込まれた部分もとても評価できる。

正直、
トータルなデザイン面では、今でもtypeTのほうが薄くて好みだったりするけど、
typeZみたいに高速で動いてくれて、こんなに作業範囲の広いPCだったら
使う事にたいしてのイライラからは随分解放されるんだろうなと
容易に想像がつく。

後はもう出来あがっちゃったんだから、
出来上がったtypeZをいじくり倒したり、
あーんな事や、こーんな事をやりまくってみたい。

ひとまずファーストレポートはおしまいで
後は実践あるのみ。


・インテルCentrino2の秘密
・Reason of Z
・typeZ & typeS徹底比較



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この記事へのコメント

レポお疲れ様でした!
>妙なマニアック心をくすぐられる
>あーんな事や、こーんな事をやりまくってみたい
上の2文だけ読んでるとかなり危ないですね…笑
kunkokuさんを上回るVAIO LOVERはなかなかいないと思います!
結局法人モデルにされるんでしたよね?どちらにしても楽しみですね。自分は今すぐ必要という訳ではなかったので、タイミングが合えば秋以降に次のモデル(91)を買おうかと思ってます。その時は相談に乗ってください!
Posted by ヨースケ at 2008年08月08日 10:35

>ヨースケさん
いえいえw
確かにこんな文章書いてるとものすっごい怪しい人ですよね(滝汗
自分用(というか仕事用)は今はSZを使って、Zの法人が出たらそっちを買いたいと思いますーw
なんですが、
そうこうしてる間にTがフルモデルチェンジしそうで、
そっちのほうが恐いです(爆
Posted by kunkoku at 2008年08月09日 10:34