・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その1)
・VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する(その2)
の続き。
中身の入ってないSSDを装着するのに、
リカバリディスクを作るのをすっかり忘れてて、
というか、1年も前に買ったのに、リカバリディスクを作ってなかった事に
驚いてしまって、
もう大急ぎで最初の状態にもどす。
あやうくシリンダーキャップとか目隠しパーツとか
完全に戻しかけるところだった・・・
ひとまず、DVD-R2枚でリカバリディスクを作成。
それから、もう一度Mtron製SSDを組み込み。
やっと、リカバリ作業に入る。
電源を入れてDVD-Rからブートすると
「VAIOリカバリセンター」が起動、
素のSSDなので「お買い上げ時の状態にリカバリ」を選ぶ。
で、
この時に、リカバリ領域をどうするか?と聞かれる。
リカバリ領域は、「Windows回復環境」と「VAIOリカバリデータ」
の二つで構成されていて、
これを残しておくと、
後々のリカバリ作業が非常に楽にはなるものの
今回は、SSDの要領がたったの32GBしかない事を考えると
かなり厳しそう。
なので、「VAIOリカバリデータ」は削除しておく事にする。
長いリカバリ作業を終えて、
Windows Vistaの初期セットアップ。
それから、WindowsのアップデートVAIOアップデート。
VGN-TZ91Sは、
Windows Vistaが初期バージョンのままなので、
Service Pack1を導入しなきゃいけなくて
結構手間がかかる。
そしてようやく使える初期段階までやってきた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
まずは、
SSDの状態をチェック。
32GBという総容量に対して、
Cドライブ以外に、
「Windows回復環境」というリカバリ領域が
1.46GBほど別に出来ているのを確認。
通常、「VAIOリカバリデータ」を残しておくと
ここにドーンと9GB以上のデータを使う事になってしまうけど
今回は削除したので、これだけで済んでるとも言える。
残す28.34GBが、Windows VistaやVAIOアプリを含む
システム入ったCドライブとなる。
で、
これがやっぱりというか
恐ろしい事に既にものすごい領域を使用中。。
実は、単なるリカバリ直後に見た時は、
空き領域がまだ8GBくらいあったのに、
WindowsとVAIOのアップデートをかけたら
なんと4GB未満にまで減ってしまっててビックリ!
こりゃまずいという事で、
不要なデータをある程度支障がないほどに削除して
ひとまず4.71GBという状態を確保。
やっぱり、Windows Vistaベースにアプリがある程度入ってる場合は
総容量が32GBでは、相当厳しいのだと再認識させられた。。
こりゃもう
余計なアプリはインストールは出来ないなと・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
それじゃあ
容量を犠牲にしてまでも快適性を手に入れられたか?
SSDのベンチマークを計測。
元々TZに搭載されていた
SAMSUNG製
【MCBQE48GKMPQ-M1A】と、
換装したMtron製
【MSD-P3018032ZIF】とで比較してみる。
まずは
単純に転送速度を計測するために、
CrystalDiskMark 2.2で計測。
VAIO typeT「VGN-TZ91S」
【MSD-P3018032ZIF】 【MCBQE48GKMPQ-M1A】
シーケーンシャルリードでは20MB/sの速度アップと
ランダム512K、4kが微増。
一応は、速度的には向上したものの
Mtron製SSDの公称値、最大読み書き100MBとは
随分かけ離れててかなり期待はずれ。
この前、505EXTREMEに、同じMtorn製のSSDを入れて
Windows XPベースで計測した時のほうが
まだもう少しマシな数値だっただけに結構がっくり。
ちなみに、コレ↓が
VAIO typeT(TTシリーズ)のSSD RAID 0の驚異のスピード。
VAIO typeT「VGN-TT90S」
ここまでは期待してないにしても、
書き込み速度が、
もうちょっと公称値に近づいてくれるのを期待してたけど
それは軽く粉砕されてしまった。
−・−・−・−・−・−・−
単一のベンチマークに一喜一憂してても仕方ないので、
一応、他の評価も調べてみる。
●パフォーマンスの評価
Windows Vistaの簡易ベンチの「パフォーマンスの評価」
VAIO typeT「VGN-TZ91S」
【MSD-P3018032ZIF】 【MCBQE48GKMPQ-M1A】
プロセッサ:4.4 プロセッサ:4.4
メモリ:4.2 メモリ:4.2
グラフィックス:2.2 グラフィックス:2.2
ゲーム用グラフィックス:2.7 ゲーム用グラフィックス:2.8
プライマリハードディスク:
5.9 プライマリハードディスク:
5.3
SSDの性能が上がった事で、
プライマリハードディスクの評価が最大の5.9へ上昇。
Vista上の評価では、
「かなり快適ですよ!」という事になる。
(アバウトだけど。)
VAIO typeT「VGN-TT90S」
プロセッサ:4.6
メモリ:4.9
グラフィックス:3.2
ゲーム用グラフィックス:3.3
プライマリハードディスク:5.9
ちなみに、
VAIO typeT(TTシリーズ)の評価を見ると、
メモリー転送速度と内蔵GPUの差があって、
さすがに全体的に評価が上。
プライマリハードディスクが同じ5.9だと思いたいけど
これは最高数値が5.9で頭打ちしてるだけなので
これ以上評価の差がつきようがないというだけ。
−・−・−・−・−・−・−
●CrystalMark 2004R2
CPUやメモリー、HDD、グラフィック
のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフト。
VAIO typeT「VGN-TZ91S」
【MSD-P3018032ZIF】 【MCBQE48GKMPQ-M1A】
VAIO typeT「VGN-TT90S」
CrystalMark 2004R2で見ると
全体的なパフォーマンスのバランスが見て取れる。
[HDD]評価は、SSD性能がそのまま数値化されているわけだけど
TZシリーズでのSSDの変化による数値の差よりも
いかにTTシリーズのSSD RAID 0はの威力が大きいかがわかってしまう。
メモリー評価となる[MEM]で、
DDR3 800MHzを積むTTシリーズのメモリーの性能が抜けている他は、
[ALU]や[FPU]といったCPU演算や
[GDI]や[D2D]、[OGL]といったグラフィックス性能での
突出した違いにはなってないようだ。
−・−・−・−・−・−・−・−
●PCMark05 Build 1.2.0(Basic版)
CPU、メモリ、HDD、グラフィックスなどの性能を計測する
futuremarkの統合ベンチマークソフト。
PCMark05からマルチコア/スレッドに対応。
VAIO typeT「VGN-TZ91S」
左数値)
【MSD-P3018032ZIF】 右数値)
【MCBQE48GKMPQ-M1A】
System Test Suite(PCMarks) :
2457 2331
HDD_XP Startup(MB/s) : 10.8 13.06
Physics and 3D(FPS) : 46.43 43.87
TransParent Windows(Windows/s) : 1182.03 943.7
3D_Pixel Shader(FPS) :5.54 5.77
Web Page Rendering(Pages/s) : 1.13 0.8
File Decryption(MB/s) : 32.08 30.98
2D_Graphics Memory_64 Lines(FPS) : 143.65 139.07
HDD_General Usage(MB/s) :6.8 11.6
Audio Compression(kB/s) : 834.1 734.84
Video Encoding(KB/s) : 244.51 209.97
Text Edit(Pages/s) : 56.29 46.7
Image Decompression(MPixeles/s) : 15.51 14.25
File Conjpression(MB/s) : 2.62 2.33
File Encryption(MB/s) : 14.75 12.82
HDD Virus Scan(MB/s) : 32.64 29.03
Memory Latency_Random 16MB(MAccesses/s): 6.29 6.38
実働条件に一番近いとされるPCMark05では
正直、期待できるような内容は見られなかった。
ちなみに、
VAIO typeT(TTシリーズ)では、トータルスコアで4177 PCMarksと、
TZシリーズよりもかなり高い値を示していた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
SSDの容量を減らしてまで、
高速化させようと思って換装したにもかかわらず
ベンチマークスコアからすれば
期待してたものには到底及ばず、正直残念な結果になってしまった。
それでも一応は、
SSDがほんのちょっぴりでも高速化した恩恵はあるみたいで
Vista上で何かするにしてもキビキビさは若干良くなったし
アプリケーションの起動が前よりも早くなってるのは体感できけど。
TZシリーズの1.8インチストレージのインターフェースは、
やっぱりZIF接続というネックがあって
高速なS-ATAのSSDが搭載できないのが痛い。
たぶん、同じ
TZシリーズでも、
2.5インチHDD搭載モデルだったら
インターフェースがS-ATAだから、
まだ高速化は出来そうな気がする。
今回の一番の収穫は、
VAIO typeT(TZシリーズ)が綺麗にバラせるようになったという事で、
また再チャレンジしてみよう。
【VAIO typeT特集ページ】
【TOPページへ】
「VAIO type T バイオノート505 10th Anniversary Limited Edition」(VGN-TZ91S)を購入したのは、一昨年、2007年の11月。
「Sony Style」のオーナーメード商品なので、ストレージなどの一部仕様は購入時に選ぶことができる。
本当はストレージに64GBのSSDを選びたかったの...