VAIO typePの実機レビュー。
(個人的な主観入りまくり。)
VAIO typePのパッケージを見たら、
いつもだったらコストカットのためにダンボール素材の上に1色刷りとか
2色印刷がせいぜいなのに、
いきなりこのモデルはフルカラーで印刷されていて、
えらく気合が入ってる様子。
中身もいつもと違っていて
フタを開けると、
まっすぐフラットにそろったVAIOロゴの入った白い箱が
まず現れてそこには、説明書とかの紙媒体が。
それを取り除くと
次に
VAIO typePの本体が鎮座。
本体を取り出す時が一番テンションが上がる。
それから、
一番底に、3つに仕切られたスペースに
バッテリーや電源コードやディスプレイアダプターが収まっていて
こうやって一つ一つのブロックごとに取り出すあたりは、
まるで3段に重なった弁当のよう?
パッケージは全て紙製とはいえ、
これだけしっかりと作りこんであると、
ただ箱からPCを取り出すだけにしても
手に入れたんだという高揚感が感じられる演出はうれしい。
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まずは本体以外の付属品をチェック。
ACアダプターは、全く新しい「VGP-AC10V2」という型番で
電圧は10.5V、消費電力も20Wとかなり低めのもの。
AC100-240Vのマルチボルテージ仕様。
(付属ACケーブルは国内専用。)
小型のモバイルPCとされる
VAIO typeTやtypeGあたりの
16VのACアダプター「VGP-AC16V11」とは異なる。
ACアダプターのユニットは非常に小型で軽量(108g)、
「VGP-AC16V11」と比べても
横長部分のサイズが若干短くなっているのがわかる。
DCケーブルの線も細く
ジャックのコネクタも小型化してるので
他のACアダプターとの互換性は全くない。
それと、
本体につく急速充電モードは、
ACアダプターの電圧が低いため、
電源を切っておかないと利用できない。
(電源が入ってると通常充電のみ。)
ウォールマウントアダプタを使うと、
ACコードの部分がいらなくなるので、
持ち運びする場合にはスッキリさせる事も出来る。
ディスプレイ/LANアダプター「VGP-DA10」というオプション。
VAIO typePの本体には、
薄すぎて?というかスペースがなさすぎて
ネットワークの端子や外部ディスプレイが内蔵できないので、
このアダプターでそれをまかなう。
外部ディスプレイ出力は、ミニD-sub15ピンで、
プレゼンテーション用として利用できる。
有線LANは、
キッチリと1000BASE-Tまでに対応してるので高速接続が可能。
仮に無線LANがなくて有線LANでインターネットを提供してるホテルだったりすると
やっぱり有線LANは必須だったりする。
専用のコネクタで
VAIO typePと接続、
ふだん使わない時は、
コネクタ部分は、内側にしまい込む事ができる仕組みで、
ACアダプターと同じスクウェア状の形をしていて、
コンパクトでかつ約56gと軽量。
それに、
実はACアダプターとディスプレイ/LANアダプターには
隠された秘密があって、
これらをスマートでカッコよく持ち運ぼうという事で、
なんとこの二つは合体する!
ウォールマウントアダプタも含めると
こんな風に長細いスティック状になって、
カバンの中でそれぞれがバタつかないし、
あれ?どこ行ったっけ?という事もなくなる。
個人的にはこのギミックはかなりツボ。
もう1つ重要なのがバッテリー。
本体を薄くしなきゃいけないという命題もあって
今までのリチウムイオンバッテリーではどうでも無理なので
ケータイに使われているような、
リチウムイオンポリマーバッテリーを採用。
標準バッテリーが「VGP-BPS15」。
厚さは11.9mm、重さは145gで、
最大の駆動時間は4.5時間となる。
これは後日、実際どれくらい持つか実験予定。
本体へは、
底面の後ろ側部分に装着。
というか、本体の3分の1以上をバッテリーが占有していて、
残りのスペースにPCを動かすパーツが全部入ってると思うと
そっちのほうが驚きだったりする。
バッテリーを後方に乗せて、
スライドすれば本体にカチっとハマって、
フルフラットな底面が形成される。
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そのまま計ったサイズで言えば、
横幅約245mmx奥行き約120mmで、厚さは19.8mm。
という数値とは無関係に
まず見て驚くのは、まるで突起物のなさというか
何かのケースかと思うほどのスラっとしたスマートなデザイン。
天板も底面もフルフラットで、
サイド周りにも余計な技巧もなくゆるやかにカーブしたコーナーといい
シンプルでかつ魅了される見た目感を持つ。
横長サイズといのは、VAIO C1でイメージできた事ではあったけど、
やっぱり驚きはこの2cmを切った薄さで、
最薄部が19.8mmというわけではなくて、
どこからどこまででもフルフラットで19.8mmというのが驚異的。
それから、
横長のその奥行きのサイズ値としても、
この120mmという大きさは、“片手で持てるサイズ”というところから
計算してこのサイズになったという事で、
狙いを定めた薄さと奥行きにターゲットを絞り込んで
VAIO typePが出来上がったのだと言う。
確かに考えてみれば、
両手でよいしょと持つPCと、
ただ片手でガシっとつかめるPCとでは
まるで持ち運びという感覚は違ってくる。
ぶっちゃけ、サイドも直線的にしてしまえば、
作る側からしてみれば、中身を詰め込むのに少しでも余裕が出来ただろうに、
そもそも小さくて数ミリでも場所を確保したいのに
サイドからコーナーにかけてカーブをかけた事で
中はさらに大変な事になったようで
その甲斐あってか、
持った時の手に伝わるしっくり感だとか、
ラウンドを描いたフォルムの美しさは見事だと言える。
最近はやたらめったらにシリンダーフォルムのVAIOノートが多かったので
てっきりシリンダーデザインでやってくるだろうと思われたけど
実際には、極限まで薄くする小さくするという事を優先した結果、
選んだのは、
シリンダーフォルムではなく、可変ヒンジトルクだった。
秀逸なのは、
この液晶の開け閉めという地味なギミックで、
普通、モバイルPCの液晶の天面を持って開こうとすると、
微妙な感覚で手に液晶が曲がってる?という感触を持ちながら
開ける事が多いのに、
この
VAIO typePの場合だと、
液晶天面の剛性がかなり高くてそのウニョっとした感覚がなく、
うまい具合にトルクが開放されていって、
シュっとした感覚で開けられる気持ちよさを感じられる。
逆に閉じた場合も
軽くパタンと閉じられるし、
この、どうやら閉まるあたりでトルクが内側に向かってかかるようで、
これまた液晶天面がピチっと本体に吸い付くように閉まる。
閉まった状態であれば、
手持ちで歩いてても、液晶天面がプランプランと開いてしまう事もないし
何というべきか?このクオリティの高さは、
他のPCではちょっと味わえない。
母体となるマグネシウム合金というと
くすんだグレーの金属でしかないものに、
下地の処理として、プライマー塗装を塗るのが1度目(ベースコート)、
それからパールの入ったカラーを塗るのが2度目(ミドルコート)、
光沢のあるUV塗装で3度目(トップコート)、
最後に人間の手作業で研磨して完成させるといった手間のかけようで
新車のボディのような金属感と光沢感を併せ持つボディになる。
光沢がある=指紋がベタベタ付いてしまう
というお約束は当然のようにあるわけで、
指紋が気になってしまうというのはあるにしても、
モバイルPCでこれだけの質感をもっているという事は
それがやっぱり所有欲を満たすという事にもつながる。
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インターフェース類は、
さすがにここまでコンパクトという事もあって
そんなに豊富ではない。
USBは左右に1つづつで、
その他は、
左側面に電源端子と、ステレオミニジャック端子のみ、
右側面には、さっきの
「ディスプレイ/LANアダプター」を接続する端子のみとなる。
貴重なUSB資源は2つしかないので、
本体にBluetoothを搭載させるなどして、
ワイヤレスでつないで温存するのが得策。
前面部分に、ワイヤレスLANスイッチがあって
その下に、
SDメモリーカードスロットと、メモステDuoスロットがある。
SDはSDHCに対応、
メモステDuoスロットは、標準サイズのメモステは使えないものの
高速なPRO-HGに対応。
本体と同色のダミーカードが差さっていて
利用しない時は、異物が入り込まないように配慮されている。
ちなみに、
中ではこのメモリーカードの入る位置に、マザーボードが入っていて、
ギリギリ干渉する場所にあるため、
この薄さの中で共存させるために、
メモリーが重なる位置には、あえてマザーボードの基盤を配置しないという
涙ぐましい努力が行われてたりもする。
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そして液晶を開いた内側の作りにも注目。
キーピッチは約16.5mmで、キーストロークは約1.2mm。
これだけの小さなボディの中に
一般的なJIS配列なキー配列として、
一切の変則的な配列としてないので、
いつもの感覚でタイプできる。
このキーピッチは、
VAIO typeTと比べてもほとんど変わらず、
打鍵した時にはキーの底の浅さ感は若干あるものの、
まず打ちにくさを感じる事はない。
というか、むしろ普通にタイプできる事のほうに感動を覚えるほど。
それから、VAIO C1を思い出させるG・H・Bキーの中央にある
スティックポインター。
このキャップは、本体と同色のカラーとなっていて
本体がレッドならキャップもレッドという具合。
長く使ってて汚れてしまってしまったり、
引っかかりがなくなってきたら予備のキャップと簡単に交換できる。
スティックポインターの上に指を置いて
前後左右に少し力をいれれば、マウスと同様の操作ができる。
というか、このスティックポインターって
下に押し込むと、クリックと同様の動作をするようになってるんだけど
超敏感設定で、ポインターを動かしてる最中に
ちょっぴり力が加わっただけで、
過敏に決定されてしまって若干うざ・・・。
自分は、スティックポインターの操作がちょっぴり苦手なので、
極限状態になるまでは、Bluetoothマウスのほうを使いたい。
液晶ディスプレイは、
1600x768ドットのものすごく横長の8型ウルトラワイド液晶。
縦幅は、普通のディスプレイ並みの768ドットなのに、
横が異常なまでの1600ドット。
みんなこれを賞賛して“変態ディスプレイ”と呼ぶ。
一枚のウインドウを全画面にすると
左右が空き過ぎて気持ち悪い事になってしまうけど、
いつも2画面だと思えば、
1画面あたり「800x768」で同時に使えるとも考えられて、
web画面なら、2画面にして
どっちもしっかりと内容を把握できるほどで、
何気に使い勝手は良い。
それと、
8インチという大きさに
ここまでの高精細になると見えづらいんじゃ?
とも思われたけど、
typeUに比べたら全然マシで、
以外としっかり細かいところもしっかりと読める。
それと、
この液晶の表面には周囲のベゼルまでを含めて、
透明なパネルがハメ込んであって
画面もフラットかつある程度の強度を持ったディスプレイになっている。
そうすると、
軽く画面をつついてしまったくらいで液晶に傷がつかないし
ちょっとした汚れも心おきなく拭き取れて
外に持ち出した時での安心度という意味では心強い。
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さーて、
質的なクオリティの高さは十分にわかったから
次は実際に使い勝手の中身だよ
と思ったら、
なんかダラダラ長くなってしまったので、
次に続く。。
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