2009年05月17日

VAIO typePにWindows7RCをクリーンインストールして快適化。(後編)

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・VAIO typePにWindows7RCをクリーンインストールして快適化。(前編)
の続き。

VAIO typePiconにWindows7RCをクリーンインストールすると、
Vistaよりも動作が軽いという恩恵も含めて
アプリなどの余計なものが入ってない分、
Windows7RCのアップグレードよりも、
さらに軽快な動きになった。

それに、
元々のtypePに入っていたVAIOアプリが
そのまま使えているのもうれしい。


でも、
ただインストールしたままだと
まだもう少し、VAIO typePiconを使う上では精彩さに欠ける気がするし、
Aeroの表示がうまくいってなくて
休止状態やスリープから復帰した時、
画面に黒い部分が残るあたりも気に入らない。

なので
以前typePのVistaの設定をカスタマイズしたのと同様に、
あれこれと設定をいじくって快適さを追及してみる。

・VAIO typePをリカバリしてWindows Vistaを超快適化する。


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【Windows7RCのコントロールパネルをいぢる】


Windows7RCのコントロールパネルを開いて、
設定をそれぞれ変更していく。

Vistaの時とメニュー構成が変わっていて、
同じ項目がどこにあるか迷ってしまったりしたけど、
慣れてくれば違和感はなくなる。

設定する名称がわかっても、
どこから呼び出すのかかわからない場合は
ウィンドウ右上にある検索ボックスに、
その名称の一部を入力したほうが見つけやすい。

●パフォーマンスオプション


ここの視覚効果にチェック項目が入りすぎなせいで
見た目の演出とは裏腹に
typePの爽快感を損なっている原因になっている。

自分的にはパフォーマンスを優先させたいから
以下の6つだけを残して、後は全てチェックをはずす。

・アイコンの代わりに縮小版を表示する
・ウィンドウとボタンに視覚スタイルを使用する
・スクリーンフォントの縁を滑らかにする
・デスクトップのアイコン名に影を付ける
・ドラッグ中にウィンドウの内容を表示する
・透明感を有効にする。

これくらいがちょうど良い。
やりすぎると、今度はXPっぽい画面で華々しさのカケラもなくなる。

「画面黒くなる現象」の元凶だったのは、
・デスクトップコンポジションを有効にする
という項目。

これが入ってると、
Windows7のウリというか、
ウィンドウの透明感が素敵なんだけど、
画面復帰時に黒画面になるのは許せないのでカット。

実際、
この視覚効果をいじるだけで
見た目の動作が随分と改善される。


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そして次に、
微々たる影響かもしれないけれどもチリも積もればなので、
水面下での動作を減らす。

●Windows機能の有効化または無効化

typePを何の目的に使うかを決めておくと、
以外と不要な機能があるので、
利用しないと思ったら機能の項目のチェックをはずして無効化する。

定番はこれら
・RDC(Remote Diffential Compression)
・TabletPCコンポーネント
・Windows FAX とスキャン
・ゲーム

以下も、typePで使う事がないと思ったら無効化する。
・Windows DVDメーカー
・Windows Media Center
・XPSサービス
・XPSビューアー


●使っていないWindowsサービスの停止

さらに、自分の使わなさそうな「サービス」を
“手動”もしくは“無効”にしてしまう。

Windows7RCの初期値では、
無理に止めなくても良いような気もするけど、
確実に必要ないと判断できれば無効にしてしまっても良い。

・Print Sppoler
・Windows Defender

SuperFetchは、
後から、レジストリから無効化する。


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Windows7になると、
SSDをSSDとして認識して適した設定になると言われている。

けれど、この時にtypePで見た限りでは
HDDと変わっていなさそうだったので、
適切ではなさそうなものは使わないようにしてみる。
(今後はいじらなくても良くなるかも。)

●デフラグを利用しない。

Windowsのデフラグは、HDDには効果はあっても
SSDに効果を持つものではないらしいので、
SSDの延命と、パフォーマンス低下を防ぐためにデフラグはしない。

●インデックスの停止

内部のデータを頻繁に参照するような使い方をしなければ、
その準備となるインデックスの作成にパフォーマンスを割かれてしまうので、
それなら、
インデックスをはずしてしまったほうが良い。

●レジストリの変更

レジストリエディタを起動。
「HKEY_LOCAL_MACHINE」→「SYSTEM」→「ControlSet001」→
「Control」→「Session Manager」→
「Memory Management」→「PrefetchParameters」
と開く。


その中にある
「EnablePretcher」「EnableSuperfetch」を
それぞれダブルクリックして、
値のデータに「0」を入力してOKをクリックする。

これでプリフェッチとスーパーフェッチの機能が停止する。
SuperFetchに関しては、停止すると場合によっては
遅くなる場合もあるので注意。


同じくレジストリエディタから、
「HKEY_LOCAL_MACHINE」→「SYSTEM」→
「CurrentControlSet」→Control\FileSystem」
と開く。


「NtfsDisable8dot3NameCreation」をダブルクリックして、
「値のデータ」に「1」を入力してOKをクリック。


「NtfsDisableLastAccessUpdate」をダブルクリックして、
「値のデータ」に「0」を入力してOKをクリック。


「NtfsMemoryUsage」をダブルクリックして、
「値のデータ」に「2」を入力してOKをクリック。

MS-DOSの8.3形式ファイル名の自動生成をとめるだとか
NTFSの最終アクセス日時の更新が無効になるとか。
効果は微々たるものらしいけれど参考までに。


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サービスやメンテナンス関係の設定。
それぞれが、ちょっとした動作なんだけれど、
その一つ一つの蓄積が待たされ感を増やしていくので、
使わない、もしくは現れないようにしておくだけでも
その快適感は違ってくる。

●Windowsの自動更新を自分ペースにする。

更新プログラムをインストールする方法を、
「更新プログラムを確認するが、ダウンロードとインストールを行うかどうかは選択する」
にする。

更新インストール時には、
そっちにパフォーマンスを持っていかれてしまうし、
特にワイヤレスWANに接続している最中にダウンロードが始まると
かなりの影響を及ぼすので、
ダウンロードとインストールを含めて
自分の都合で行う事にする。

さすがにWindows7のRC版なので、
有用なアップデートが頻繁に行われるため、
アップデート忘れがないように
「確認しない」という設定にはしないほうが良いかと。


●Windows Defenderを利用しない。

スパイウェア対策の機能を持った
セキュリティツールを利用している場合に限っては、
Windows Defenderは不要。


●システムの保護を無効にする。

システムを保護するための復元ポイントは、
Windows7RCで使っている以上は
いつ何時でもまた中身を入れ替える事があるかもしれない
という割り切りの元に無効に。

復元ポイントを作る作業自体を減らせるのと
SSDの節約の一助として。


●ユーザーアカウント制御。

Windowsの設定を変更するたびに
画面が一瞬暗くなって、続行するかどうかを問われると
面倒なので、
レベルを一段階下げて、
「プログラムがコンピューターに変更を加えようとする場合のみ通知する(デスクトップを暗転しない)」
くらいにしておく。


●問題レポートに対する解決策は確認しない。

エラーなどが発生した場合、
いちいち解決策を確認する手間が面倒なのでなくしてやる。



ちなみに、
セキュリティに関する項目を無効にしたりレベルを下げると
警告のバルーンが表示されてしまうのでそれがまたうとおしい。

自己管理できるのであれば、
「アクションセンター」から、
それぞれの項目にある「メッセージを無効」にしておけば
その警告も出てこなくなる。


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【普段使いを想定して電源の管理を決める】


VAIO typePのパフォーマンスを最大限に発揮しつつも
バッテリーの持ちを長く持たせる設定。

Windows7では、
しばらくPCに触らないでいると
ディスプレイの輝度が自動的に暗くなって、
さらにそれ以上使わないで入るとディスプレイの電源が切れる
という2段構えの設定になっている。

バッテリー駆動時にはこまめに電力を減らしたいと思えば
そのタイミングを早めておく。


電源オプションにあるスリープの設定も、
バッテリー駆動時には、
・次の時間が経過後スリープにする:15分
・ハイブリッドスリープを許可する:オン
・次の時間が経過後休止状態にする:60分
としておく。

スリープに移行した際には、
SSDへバックアップをとるように
ハイブリッドスリープを使う設定へと変える。


「VAIOの設定」の[液晶の動作設定]で、
液晶を開いた時の動作設定を、
「休止状態やスリープ状態から起動」にする。

閉じると「スリープ状態」というのはデフォルト設定。

以上が、やっておく設定。



普段の使用時には、
液晶の輝度は、室内や屋外で違ってくるので、
その場その場で画面がきちんと認識できるくらいの明るさに
Fn+F5もしくはFn+F6キーで都度変更するのはいつもと一緒。

そして、
ちょっとした間でも、しばらく手を休めていれば
画面が薄暗くなって、
さらに使わなければ完全に消える、もしくはスリープへと移行する。

こういった細かい電源管理が
少しでもバッテリーの消費を抑えてくれて
省電力にはすごく有効。

それから、
ハイブリッドスリープ設定にして
途中の状態をメモリーだけでなくてSSDにも保存されてるから
外出時に持ち出して使っている場合でも
一時的に使い終わったら液晶を閉じてスリープ、
また使いたくなったら液晶を開けて復帰という
typePらしいスタイルで使いこなせる。


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【好みのアプリをショートカットキーに登録】


キーボード手前にある
ショートカットのS1ボタンとS2ボタン。

S2ボタンには、そのまま「ウィンドウ整列」を割り当て、
S1ボタンには、
ワイヤレスWANアプリとなる
「ドコモコネクションマネージャ」を割り当ててみた。

けれど・・


Windows7になって、
ウィンドウのオペレーションがものすごく楽で、
全画面にしたり、ウィンドウの高さを目一杯にしたり
左右に2つの2ウィンドウを揃えるというのが、
スティックポインターでもいとも簡単に出来るようになったので
S2ボタンを押しての「ウィンドウ整列」の機能は
もう必要ないかもしれない。

このショートカットボタンには
頻繁に起動するアプリを登録したほうがいいかもしれない。


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【本当にtypePが快適になったWindows7の実力】


「VAIO typeP x Windows7」は、
「VAIO typeP xWindows Vista」よりも本当に動作が機敏。

今まで遅い事をあきらめていた
Windowsの起動とか終了さえも
まるっきり早くなっていて驚くほど。

一応、
ストップウォッチで計測したものが以下。

念のため
スペックは、CPUがAtom Z540、ストレージはSSD64GB。
それぞれ、
Windows起動、休止からの復帰、スリープからの復帰時には、
ワイヤレスLANで接続して
すぐにInternetExproler8(以下IE8)を立ち上げて
ホーム設定しているYahoo!を表示するまでの時間も計測してみた。


Windows起動
 ・画面切り替わり    :約40秒
 ・常駐アプリ全表示   :約54秒 
 ・IE8起動&表示完了 :約60秒

終了(シャットダウン):約17秒

休止状態         :約23秒
復帰            :約33秒
・IE8起動&表示完了  :約40秒

スリープ          :約6秒
スリープ直後の復帰  :約7秒
・IE8起動&表示完了  :約18秒

ちなみに
WebブラウザをGoogle Clomeに変更すると
表示までの時間はそれぞれ2〜3秒はさらに縮まっていた。

参考までに、
全く同じスペックのtypePのWindows Vistaだと
Windows起動に約2分40秒、終了に約36秒、
休止に約58秒、復帰に49秒という時間がかかる。


もともとハイスペックなtypeZiconVAIO typeTiconなら、
Windows Vistaでも軽く動作できるけれど、
typePのようなAtom CPUを搭載した非力なスペックでは
Windows Vistaを動かすだけでも非常に大変そうだった。

だから、
逆にtypePは、Windows7という軽いOSに変える事で
(それと、あえて不要な機能を抑えてやる事で)
つっかえたものがなくなったかのように
これほどまでに軽快に動くようになってくれる。

Windows7RCを入れて
一番良かったと思えるのがこのtypePだった事には違いない。

Windows7の正式版が出たら、
VIAOも正式にサポートしてくれて
もっとスムーズに移行できるようになると思うし、
VAIO typePiconを持ってる人たちは、
Windows7にかなり期待しててもいいかもしれない。




・・・と、
ここで終わるつもりが、
もうちょっとだけ続きが。。



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【ワイヤレスLANとワイヤレスWANが同時使用可能!?】


これは
意図してやったものではなくて、
Windows7RCをクリーンインストールして、
ドライバーとアプリを入れていく過程で、
結果としてこうなったというもの。


普通、
802.11b/g/nを利用する『ワイヤレスLAN』と、
docomo FOMA HIGH SPEEDを利用する『ワイヤレスWAN』は、
「VAIO Smart Network」のアプリケーション上では、
同時起動が出来なくて
どちらか一方に切り替わって動作するにもかかわらず、
何故か、
同時にランプが点灯する現象に遭遇。

ただ点灯してるだけかと思ったけれど、
「ドコモ定額ソフト」を起動して接続してみると
そのまま何の問題もなく接続。


「ネットワークと共有センター」をチェックしてみると、
なんと、
ワイヤレスネットワーク接続と、mopera Uが
接続されている事を確認。

なんと、
ワイヤレスLANとワイヤレスWANの切り替えオペレーションなしに、
家でも外でも
どこでもつながりっぱなし環境が確立できてしまった。

他メーカーでは、
ワイヤレスLANとワイヤレスWANの同時利用というのは
もともと出来る仕様になってるみたいで、
「VAIO Smart Network」でも同時利用できるようになれば良いのに
とは思っていたけど。

実は、
typeZでWindows7RCをクリーンインストールをしてみても、
偶発的に同じく同時利用が可能になっていた。

本来の状態ではないので、
別の問題が出てきたり、また動作しなくなる可能性はあるかもしれないけれど
とりあえず今はありがたく使わせてもらおうっと。

たぶん、
・VAIO typePにWindows7RCをクリーンインストールして快適化。(前編)
の手順どおりに進むと
同じ状態になる可能性大。



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【VAIO typeT特集ページ】
【VAIO typeZ特集ページ】

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