コンパクトデジタルカメラなのに
1.0型有効2020万画素のCMOSセンサーと、F1.8という明るいレンズを持つ
サイバーショット
「DSC-RX100」。
今までのサイバーショットとは明らかに違うその内容に
かなりのハイテンションになりながら、
果たして本当にその差なんてものがわかるくらいなのか?
とかいろいろ思いながら使ってみる。
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●コンパクトの中に詰め込まれた大きなセンサー
サイバーショットと言いながら、
デジタル一眼カメラ「NEX-7」を思わせるような
ブラックを基調にしたかなりしっかりしたパッケージ。
箱を開けると、そこに
「DSC-RX100」の本体が収まっていて、
周辺機器は、さらにその下に収まっている。
全てを取り出してみると、
本体の他に
リチャージャブルバッテリーパック 「NP-BX1」、
MicroUSBケーブル、ACアダプター「AC-UB11」、
リストストラップ、ショルダーストラップアダプター、取扱説明書
といった付属品が入っている。
開封したてのホヤホヤだと
液晶ディスプレイ側に、よく保護するシートが貼ってあるけれど
レンズ部分やコントロールダイヤルにもそれが貼ってあって
今までの扱いとはちょっと違うぞと思わせられる。
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●DSC-RX100の外観と性能をチェックする。
まず驚くのはもうそのサイズとしか言いようがなくて
撮像素子が1.0型(13.2×8.8mm)“Exmor”CMOSセンサーが搭載されているから、
脳内で反射的にいくらコンパクトとはいえ
それなりの大きさをイメージしてたのに小さい!
それから、アルミボディがかなりの質感を醸し出していて
凹凸の少ないストレートでかつ、カッチリとしたデザインから
重厚感も感じられる。
単純に高倍率ズームが特徴の
「DSC-HX30V」と比べても
そのコンパクトさは一目瞭然。
「DSC-HX30V」 ・・・ 幅106.6 x 高さ61.9 x 奥行34.6mm
質量:約254g(バッテリー、メモステ含む)
「DSC-RX100」 ・・・ 幅101.6 x 高さ58.1 x 奥行35.9mm
質量:約240g(バッテリー、メモステ含む)
凹凸の少ないストレートなラインで構成されている事もあって
「DSC-HX30V」よりも、ほんのり小さいサイズ。
そう、この中に
現行モデルのサイバーショットに搭載される1/2.3型センサーよりも
4倍にもなる面積の1.0型(13.2×8.8mm)“Exmor”CMOSセンサーが入っている。
撮像素子の大きさからくる、光をたくさん取り込めるという利点から
より暗がりなところでもノイズを大きく抑えられるし
その大きさからなるボケのある映像も得られる。
レンズは、開放F値1.8のカールツァイス“バリオ・ゾナーT*”レンズで
非常に明るくて、加えて「T*コーティング」を採用して、
ゴーストやフレアといった余計な反射光を抑えてくれる。
7枚羽根の虹彩絞りの機構を採用して、
被写界深度が浅くなるセンサーの大きさとあいまって、
とても綺麗なボケ味を表現できる。
そして、DSC-RX100としては大きな機能となるコントロールリングは、
レンズの周囲に配置してあってデザインのなかにうまく溶け込んでいる。
レンズ焦点距離は、35mm換算で広角28mmから望遠100mm。
望遠側が最近のコンデジの高倍率というトレンドからすると少なめに感じてしまうけれど、
そこは、全画素超解像ズームを使う事で、200mm相当の望遠撮影が可能になる。
それから、積極的にやりたくなるマクロ撮影では、
最短で5cmまで寄って大きなボケ味のある撮影ができる。
(ただし、テレ端側ではf4.9、最短撮影距離55cmとなる。)
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オペレーションボタンは、パッと見は
いつものサイバーショットと大きく変わらない配置。
カメラ上部に、モードタイヤル、電源ボタン、
ズームレバーの中にシャッターボタン。
それから、背面右に、MOVIE(動画)ボタン、
Fnボタン、MENUボタン、
コントロールホイール、
再生ボタン、削除ボタンといった具合。
バッテリーとメモリースロットは底面にあって、
バッテリーは新規の「NP-BX1」に、
メモリースロットは、メモリースティックPRO Duo、SD(SDHC)カードを挿入する。
もちろんWi-Fi技術の入った、EYE-FiカードやFlashAirも利用できる。
そのフタを閉めたところに、目隠しブタがあってそれをはがすと
HDMIマイクロ端子が出てくる。
本体の側面に、フタをあけるとマイクロUSB端子が現れて
PCに接続、もしくはACアダプター「AC-UD11」を介して充電という形になる。
もちろん、PCからのUSB給電も充電も可能。
そうそう、このボティサイズはなんと
ポップアップするフラッシュさえ内蔵するサイズで出来上がっている。
フラッシュのガイドナンバーは6。
「DSC-RX100」には、ファインダーは付いていないし、
NEX-5Nのように後付でEVFファインダーをくっつけるといったギミックは持っていない。
コンデジの主流たる液晶ディスプレイのみで勝負する。
その液晶モニターは、3.0型「エクストラファイン液晶」で、
122.9万ドットという高精細さに加えて
新しく開発されたWhiteMagicという技術で、
RGBの3原色にホワイトの画素を追加することで屋外でも視認性を高めているという事。
実際に、日中に「DSC-HX30V」と「DSC-RX100」を
かなり強い太陽光の日差しで視認してみたけれど
相当がんばっているHX30Vよりももっと見えやすいというのはかなりの驚きだった。
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●両手でホールドしたまま操作できるオペレーション
MENUボタンを押して現れる、メニューは黒基調にホワイトの文字、オレンジの選択と
まさにデジタル一眼カメラαシリーズのそれと同じで
画面上部に各種タブが並んでいて、
それぞれの代表項目を選んで、それぞれの設定を決めていく。
画像サイズは、縦横比3:2、16:9、4:3、1:1で、
3:2の「L:20M(5472x3748)」が最大サイズ。
一般的なコンパクトデジタルカメラは、4:3が主流である事を考えると、
3:2という比率はやはりデジタル一眼カメラのほうを向いているのだろう。
縦横等倍という中判カメラみたいな構図で撮影も可能で
その1:1では、「L:13M(3648x3648)」が最大サイズとなっている。
撮影できる画質は、
RAWモードの選択も可能。
もうこのあたりからみても
サイバーショットという名前が付いていながら
サイバーショットではないのかもしれない。
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そして、コントロールを直感的に使えるのも「DSC-RX100」のウリ。
カメラを構えた状態で
右親指で「Fn」ボタンを押して、希望の機能を呼び出して
左手でレンズ周囲にあるコントロールリングを回して
その値を変化させるというオペレーション。
「Fn」ボタンを押すたびに、絞り値、露出補正、ISO感度、ホワイトバランス、
クリエイティブスタイル、ピクチャーエフェクト、といった機能が順次表示され、
画面上にリングと同じ扇形のパラメーターが現れて
コントロールリングをクルクルと回して設定値を変化させていく。
コントロールリングは、シームレスで、
軽くなくある一定の抵抗感を感じながらしっかりと的確に回せて、
かつ回す時に小気味良いキチキチキチという音が
その操作感覚をより使いやすいものにしている。
欲を言えば、そのコントロールリングを回す度合いと
パラメーターの移動速度がカスタマイズできるなら
もっと自分の感覚に近づけるのになとは思った。
この「Fnボタン」を押すと出てくる項目は、最大で7つまで割り当て出来るので、
多くの機能を使いたい場合ならMAX登録してしまってもいいし、
集中して使いたいと思えばピンポイントに使う機能だけを登録しておいても良い。
さらに、NEXシリーズと同様に、コントロールホイールの3つのボタンにも
割り振りが可能で、
「中央ボタン」、「左ボタン」、「右ボタン」には、お好みの機能を入れておけば
より自分の直感に近い動作を作り上げる事ができる。
ピント合わせは、「フォーカスモード」から、
【AF-S(シングルAF)】、【AF-C(コンテュニアスAF)】と、
【DMF】、【MF(マニュアルフォーカス)】が選択可能。
もちろんカメラのAFに任せて撮影もできるし、
【DMF】みたいに、
シャッターボタンを半押ししてピントを合わせておいて
コントロールリングを回して微調整といった緻密な撮影が出来る。
その撮影時に武器になってくれるのが、
ピントのあった部分に、レッド、イエロー、ホワイトの色で示してくれる
ピーキングレベルの表示。
これが使えるのは、フォーカスモードを
「DMF」もしくは「MF」に設定した時に限られる。
外光が非常に強い場所でも、ピーキングのアシストのおかげで
MF操作でもより確実なピント合わせが出来るのはとても助かる。
さらに、よく使うモードやカメラの設定を3つまで登録できるのが
MRポジション。
モードダイヤルで設定する撮影モード、絞り値、シャッタースピード、露出補正
静止画と動画の撮影メニュー、光学ズーム倍率などを登録。
MR(登録呼び出し)にして、設定を呼び出せる。
液晶モニターには、
DISPボタンを押すごとに
グラフィック表示、全情報表示、情報表示なし、水準器、ヒストグラム
の5つを繰り返し切り替え出来るし、
ここも不要なものがあればカスタマイズしてオンオフもできる。
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●「DSC-RX100」と「DSC-HX30V」の撮影サンプルを比較
単純に、
「DSC-RX100」と、
「DSC-HX30V」の画像を比較。
設定はオート、広角端、同位置から撮影。
その撮像素子の違いからくるノイズ感やボケ味の違い。
「DSC-RX100」
・1.0型(13.2×8.8mm)“Exmor”CMOSセンサー
・画角3:2、L:20M(5,472x3,748)
・焦点距離:広角28mm(f1.8)
【撮影画像】
aibo画像、
サフィニア、
紫陽花、
マリーゴールド
「DSC-HX30V」
・1/2.3型 "Exmor R" CMOSセンサー
・画角4:3、L:18M(4,896×3,672)
・焦点距離:広角25mm(f3.2)
【撮影画像】
aibo画像、
サフィニア、
紫陽花、
マリーゴールド
そして、それぞれの画像の一部を
切り取って比較してみたものが以下。
<左画像:DSC-RX100 右画像:DSC-HX30V>
全体画像を遠目に見るとわかりにくいけれど、
大きく拡大してみると、実はそのその違いがよく分かる。
一般的なコンパクトデジカメは、どうしても撮像素子(センサー)の小ささから来る要因で
どうしてもノイズが入りやすくなるとか、画像に粒状感が出てしまう。
それが、やはり4倍の面積にもなる1.0型(13.2×8.8mm)の撮像素子になると
明らかにその解像感が上がっているのがわかるし、
レンズから伝わるその描写力も違ってくるのが結構しっかりとわかる。
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●絶妙なサイズと納得の画を得られる充実感。
撮像素子(センサー)サイズからすれば、
もちろん、APS-Cサイズの撮像素子を持つデジタル一眼カメラ”α”シリーズやNEXシリーズが
ノイズの少ない、そしてその画の持つクオリティの高さが最高なのは確かだし、
レンズを交換する事で、撮影シーンに最良の装備で挑めるという意味ではやっぱり最強。
だけど、いつでもどこでもデジタル一眼カメラを持っていけるか?
というとそれは難しいわけで、
ただ、そこにあるデジタル一眼カメラとコンパクトデジカメの間にあった
大きな溝が、1インチサイズのセンサーを持ったDSC-RX100が現れた事で
大きく埋まる。
もちろん実際に撮ってみるまでは半信半疑な部分はあったけれど、
実際に撮影した画を見てみると
今までのコンパクトデジカメとは全く違うクオリティがある事がはっきりとわかる。
もちろん、ここで比較していた「DSC-HX30V」もコンデジとしては非常に
性能も良くて、コンデジサイズながら、広角から望遠までの高倍率ズームを持っていて
GPSやWi-Fiに対応しているといった利便性はたっぷりあるわけで、
それを凌駕するクオリティを「DSC-RX100」を持っている。
おそらく、どんなシチュエーションにおいても最高のカメラというのは
正直難しくて、どこかに足りない部分や不満点はあるのだけれど、
それは、カメラをチョイスするという方法で、より最良の状況は生み出せる。
例えば、
運動会には、
α77や
「NEX-7」に望遠レンズを装着して遠くにいる子供を撮る専用として、
そして、「DSC-RX100」をサブカメラとして持って
競技の合間だとか昼のお弁当タイムの時には使い分け
といった具合にデジタル一眼カメラの特化した性能をサポートするには
とてもふさわしいカメラだと言える。
もしくは、コンパクトデジカメ同士でも、
「DSC-RX100」をメインに使いつつ、
まかないきれない望遠側や、その場でWi-Fiで確認したいといった利便性を
「DSC-HX30V」に任せたりと、両者で補いながら使うというのもひとつかもしれない。
単独でコンパクトさと画質を高い次元で両立したカメラとしても
妥協しない強烈なサブカメラとしても
非常に魅力的なポジションとして現れたこの
「DSC-RX100」は、
久しくコンパクトデジタルカメラの買い替える気持ちを失っていた人に
迷わずすすめられる。
早速、このコンパクトなボディを日常に滑りこませて
日々の記録を残していってみよう。
・コンパクトボディに1.0型センサーと大口径F1.8レンズを凝縮した「DSC-RX100」
・コンパクトながらも高いカメラ性能を持つデジタル一眼カメラ「NEX-7」(その1)
・コンパクトながらも高いカメラ性能を持つデジタル一眼カメラ「NEX-7」(その2)
・コンパクトながらも高いカメラ性能を持つデジタル一眼カメラ「NEX-7」(その3)
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